Everyday I Have The Blues

Princess Princess Tour 2012 〜再会〜 The Last Princess

2012年12月23日
東京ドーム

 Princess Princess にはまったく興味が無かった。CDは持ってないし、知っている曲といえば、あの大ヒット曲で、どこへ行ってもかかっていた『ダイヤモンド』だけ。そのプリプリと言われている彼女たちの東京ドームでの再結成ライヴ。絶対に趣味ではない。それでも知り合いから「行かれなくなったから買い取ってくれないか」と言われたときに、たまたまこの日は空いていたので、「いいよ」と安請け合いをしてしまった。昔っから人に頼まれると、なかなか「いや」言えない性分なんですね。

 それで二つ返事でチケットを買い取ってしまい、公演の二日前になって、たまたまテレビで彼女たちが『ダイヤモンド』を演奏している姿を見てしまった。

 『ダイヤモンド』というのは、ロックとはいっても、なんだか青春全開健全ポジティブいっぱいみたいな曲で、これ、若い時の彼女たちが演っててた時は、それはそれでよかったと思うわけです。おそらく私も彼女たちが楽器をやっている分、女の子たちがいっぱい出てきて踊りながら歌っている今の流行りの集団よりはいいと思うのだけど、いかんせん、この手の歌というのは女性の場合、賞味期限があるように思えた。

 テレビの歌番組に映った彼女たちを見た私は、「痛い」と感じてしまった。何でその年になって、キラキラのドレスを着て、今更Princessなのか。私の気はどんどん重くなっていった。

 チケットは一階のスタンド席。ステージが遠い。周りは40代と思しきお客さんが中心。Princess Princessを聴いて青春を過ごした世代だ。

 定刻7分押しでスタート。一曲目から総立ちだ。三時間の予定だというから、体力が衰えている私は立ってなんかいられない。ステージ上の人物は米粒以下にしか見えないから、頼りはスクリーン。私の席が上手い具合に座ったままでも人が邪魔にならないでスクリーンが見えるので、これ幸いと椅子に座り続ける。それに音が鳴ってりゃ、これで満足。

 ただ始まって三曲も聴いていると正直飽きてきた。どれも青春バンザイ女の子みたいな曲で、どうでもよくなってくる。せっかく来たんだから『ダイヤモンド』だけは聴いてから帰りたいと思うのだが、いつまでたっても演ってくれない。きっとラスト・ナンバーかアンコールだろうと思い直す。

 途中でアンプラグド・コーナーがあり、そのあとトークタイム。この再結成は、去年の3.11がきっかけで何か出来ることはないかと五人が集まり、義捐金を集めるために、期間限定で再結成を決意したこと。それから、16年間のブランクを埋めるために毎日懸命に練習を積んできたことが語られた。ほう、そういうことなのか。と、ちょっと見直す。よくぞ家庭やほかの仕事を持ちながらここまで持って来れたものだ。

 そのあとの後半が凄かった。前半は青春ロックのようなものばかりだったが、後半はオリジナルのハード・ロックが続く。へえー、こんなのも演っているんだ。楽器もなかなかやるじゃん。これなら、そこらのヘナチョコ・ロッカーよりよっぽど上だ。

 二回のアンコールで、ラストが『ダイヤモンド』。

♪針がおりる瞬間の 胸の鼓動焼き付けろ
 それは素敵なコレクション もっともっと並べたい
 眠くたっても 嫌われても 年をとっても やめられない

 これぞレコード、アナログ世代のロックだ。

 東京ドームは終演後、外に出られるまでたいへんな事になるから、ワンコーラスだけ聴いて退席。

 翌日はWOWOWの中継が入るようだけど、収益の何割かは被災地の義捐金になるなら、7800円のチケットも文句ない。

 被災地のために何かしようという気概。一年半に渡る猛練習。終わればまたサッと身を引く潔さ。清いではないか。こんなことをやりとげる男は、そんなにいなかった。彼女たちの姿勢に拍手を送りたい。

12月24日記

静かなお喋り 12月23日

静かなお喋り

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