Everyday I Have the Blues

寺田恵子“一声入魂”「カルメン・マキ&OZ」〜私は風 2013〜

2013年10月14日
川崎 Club Citta'

 入口でチケットを切ってもらい、さらに500円払ってドリンク・チケットを貰う。飲み物に引換え、客席へ。
 客席は、カルメン・マキ&OZ及び、寺田恵子、SHOW-YA ファンが入り混じっている感じ。
 飲み物はライヴが始まる前に飲んでしまう。テーブルがあるわけじゃないから、邪魔になるだけなので。
 定刻の10分押しの、17時10分スタート。客電が消え、キング・クリムゾンの Red のイントロが流れたあと、下りている幕に寺田恵子のシルエットが映り、アカペラが聴こえてくる。
 幕が上がるとステージには寺田以外に8人のバンドが板付きになっていた。
 ベース
 ツインキーボード!
 トリプルギター!!
 ツインドラム!!!
 しかも、二台ともバスドラがダブル!!!!
 大音響で『午前1時のスケッチ』が始まる。
 バックバンドとしてクレジットされていたメンバー以外に、VOW WOWからゲスト参加の、山本恭司(G)、厚見玲衣(Key)がいきなり混じっているという形。
 一曲目から総立ちだ。

 この企画は、寺田恵子が50歳になった事を記念して、寺田が大好きな、カルメン・マキ&OZの曲を演奏するライヴをやろうという意図で行われたもの。寺田は1994年に『悪い夢』という、カルメン・マキ&OZの曲をカバーしたCDを出している。ちなみにこのCDは現在廃盤。

 カルメン・マキ&OZは、カルメン・マキが『時には母のない子のように』の大ヒット後に、突然ロックに目覚めて結成したバンド。1970年代に活躍していた。なにしろあの『時には母のない子のように』や『山羊にひかれて』の人だから、ロックに転向しても基本は暗いから、明るいロックにはならず、ハードロックとプログレッシブ・ロックの中間を行くような、どす黒くてダイナミックなイメージのバンドになった。一曲一曲が長くて、ほとんど10分程度かかるものばかり。

 私はついにライヴには行けなかった。その片鱗が見られたのは、80年代になってから、渋谷[Live In]で行われたダディ竹千代と東京おとぼけCatsのライヴの中でゲストとして出てきたカルメン・マキが、カルメン・マキ&OZの曲を数曲歌ってくれたときだけ。

 二部構成で途中に休憩が入るのも、カルメン・マキ&OZのライヴそのままなんだそうなのだが、「50になると、正直、カルメン・マキ&OZの曲はキツい」 寺田も言うように、あの歌い方は若くなければ出来ないのかもしれない。寺田は小学生の時にカルメン・マキ&OZを聴いて歌手になろうと思ったというのだから、ある意味マセていたし、アイドルには興味なかったそうだ。

 第二部では、デーモン閣下が登場。「長くなるよ」と寺田と15分に渡るトーク。大学のクラブでバンドをやっていたときに得意にしていたのがカルメン・マキ&OZの曲だったとか。意外な気がしたが、そういえば『閉ざされた町』とか『崩壊の前日』なんていうのは、デーモンが歌っても違和感ない。『空へ』とか『私は風』あたりは女性からヒンシュクを買ったというのは頷けるけど。で、寺田とツインヴォーカルで歌ったけれど、さすがの迫力。

 『とりあえずロックンロール』とか『きのう酒場で見た女』みたいな毛色の変わった曲も混ぜての2時間。堪能しました。

10月15日記



静かなお喋り 10月14日

静かなお喋り

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