直線上に配置



スプーンで食べるおむすび
カルボナーラ風 2種のチーズのキムチ牛めし 各220円
ファミリー・マート


 先月の中ごろにファミリー・マートで発売になった、スプーンで食べるおむすびと、スプーンで食べるお寿司には食指が動かなかった。おむすびが、ねぎ玉牛めし、海老入りピザ風、チキン南蛮&高菜めし。お寿司がスモークサーモンチーズ、鮭いくら。

 なーんかね、これね、おむすびというコンセプトからは程遠い気がしたわけです。だって、おむすび(おにぎりでもいいけど)ってのは手に持って食べるものでしょ。手に持たないでスプーンで食べるということにした時点で、ミニ丼、いやミニミニ丼というものになっちっゃてると思ったわけです。

 ローソンでプレミアムロールケーキという商品を出して、これは手で持つには不可能な形容のもので、スプーンで食べろと言われた時にはびっくりしたが、確かにおいしかった。で、そのうちに他のコンビニチェーンも真似して出し始めて、ファミリー・マートもスプーンで食べるロールケーキを出していた。その逆襲に出たローソンがスプーンで食べるどら焼きなんてものまで出して、どうなっちゃったのということになってしまったわけだが、ファミリー・マートは、スイーツ以外のものにまで広げてきた。

 コンビニでのおむすびというのも、もうアイデアが出尽くした感があったのだけど、もう手で食べなくてもいいやという、開き直りとも取れる発想が生まれたことは、まだまだいろいろな商品が開発できるってことなのかも。

 だいたい、コンビニおむすびでおかしくなってきちゃたのは、チャーハンやドライカレーをおむすびにしちゃえって思いついたあたりからなのではないだろうか。チャーハンやドライカレーを手軽におむすびで食べられたらいいなという発想はわかるんです。でもね、こういったものはですね、ごはんはネチョじゃなくてパラパラなのがいいわけです。これがおむすびの本質と相反するわけじゃないですか。しかも油っぽいとなると、米と米がくっつき合わないでしょ。

 結果、当然のことに食べているうちに崩壊が始まる。ポロポロと御飯粒が床に落ちる。外で食べれば、鳩さんたちは喜ぶけれど、室内で食べれば、一家の主婦や、清掃係は怒るということになってしまうのですよ。

 この際、おにぎりをスプーンで食べたらという発想は、湧き起こるべくして出てきたんじゃないのかなあ。トローっとした卵を入れても大丈夫になるわけですよ。

 鮭いくら寿司だってそう。回転寿司屋で、軍艦巻きからこぼれ落ちているいくら鮨とかもあるじゃないですか。

 もう何でもありじゃー!

 というわけで、自分で勝手に興奮して、ファミリー・マートへ行ってきた。そうしたら新商品が出ていて、カルボナーラ風と、2種のチーズのキムチ牛めしのふたつ。どちらも220円。

 家に帰って電子レンジで暖めて食べてみたら、これが結構いけるんですね。ミニミニ丼だと思って食べればなーんの違和感もない。むしろ440円で二種類の変わり丼を食べたと思えば、これってアリですね、私の中では。

2011年6月16日記

このコーナーの表紙に戻る

トップ アイコンふりだしに戻る
直線上に配置