June.30,2000 プリッツ ガーリック味

        毎度のスナック菓子の話題。グリコのプリッツっていう細長いスティック状のスナックあるでしょ。おんなじようなのに、ポッキーというのがあって、こちらはチョコレートなどの甘いものが表面に塗ってある。パッケージの裏を見ると、ポッキーの方は[チョコレート菓子]となっていて、プリッツの方は[プレッツェル]となっている。私、てっきりプリッツとかポッキーって日本で発明されたお菓子だと思っていたのだが、元々はプレッツェルなる欧米にあったスナック菓子だったのだろうか? どこの国のお菓子なのか知っている人がいたら教えてね。

        初めてプリッツを食べたときは、ショックでしたね。世の中に、こんなに美味しいお菓子があるのかと思うくらい感激してしまった。あのさ、プリッツってどうやって食べます? 普通さ、前歯でポリポリと齧るじゃないですか。なんだかリスとかさ、ウサギとかさ、あんな動物になった気持ち。両手(両前足だろうけど)で持って前歯でポリポリ。前歯で食べるものって、案外少ないでしょ。時々、前歯が何か噛みたいっていう気分になるんですよ。今だに爪を噛む癖が治らないから、前歯が疼くのは、私くらいのものかもしれないのだけれど。これって幼児性が抜けてないのかなあ。

        で、今回何が言いたいのかというと、最近出たのだと思うのだけれど、プリッツのガーリック味って旨いんですよ。もうこれが、ガーリックトーストそのままの味なのだ。ガーリックトーストを作るのは面倒だけれども、これならすぐに箱から出してポリポリ。ビールのツマミに最適でして、ついついゴクゴク、ポリポリと後を引いてしまう。


June.25,2000 BEEF TOMATO

        20年位前の話である。ひとりでハワイへ行った。海外旅行は、その半年前に川崎の鈴木と行った香港に続いて2回目。その時は初めての海外ひとり旅であった。

        その日は日曜日だった。朝、ホノルルのホテルを出た私はブラリと[サンデー・マーケット]なるリサイクル・マーケットのようなところに行った。今では日本で普及しているフリー・マーケットだ。日用品など、不用になったものをコンクリートの地面に置いて、一般の人が売っている。これがいわゆるガレージ・セールっていうものなんだなあと思った。そこの売店でターキー・サンドイッチを買い、ココナッツを割ってもらってストローで飲んだ。

        そのあと、バスに乗ってノースショアへ行ってみた。季節が違ったのだろうか、思っていたほど波は高くなかった。サーファーの数もまばら。「なあーんだあ、こんなもんか。湘南とたいして変わんないなあ」と思いながら、砂浜に横になり、ときどき海に浸かりに行き、また砂浜にゴロッと横になりボンヤリしていた。

        昼すぎになり、腹が減ってきた。近くに食事できるところはないだろうかと捜したら、どうやら食事を出してくれそうな店が1軒みつかった。小さな木造の建物。海からの潮風にやられて、かなり傷んでいる。ドアを押して恐る恐る中へ入る。中はテーブルが三つほど。それにカウンター。客は2〜3人だった。入口近くのテーブルに座った。

        メニューはカウンターの奥の調理場の壁に貼ってあった。さあて、何を食べようか。といっても、いったい何を食べていいか見当がつかない。どんな料理だかわからないし、英語の発音も自信がない。メニューを眺めているうちに、[BEEF TOMATO]なる文字が私を引きつけた。BEEFは牛肉。TOMATOはトマト。食材がはっきりしている。これなら大丈夫だ。どんな調理法かはわからないが、とりあえず注文はできるぞ!

        私は呟くように、ほとんど日本語で口に出していた。
「あ、あのう、そのビーフ・トマトってやつ、ください」
「?」
「あの、だから、ビーフ・トマト」
「?」

        何回「ビーフ・トマト」を繰り返して言ってみても、わかってもらえない。しょうがない、非常手段だ。私は調理場にズカズカと入って行くと、壁のメニューの、その部分を指差し、「ビーフ・トマト!」と吼えた。すると、調理場の若い女性が「オー! ビーフ・トメーイトー!」

        TOMATOはローマ字読みすると、まさにトマトだから、そのように憶えていたのだろう。まさか、トメーイトーとはなあ。その恥をかいた経験以来、TOMATOの発音は頭の中に叩きこまれた。それ以来使う機会はないけれど。

        さて、調理されてきた、そのビーフ・トメーイトーだが、ようするに牛肉とトマトを大きめのぶつ切りにして、フライパンで炒めただけのもの。こんなの料理といえるのかあといった味でして、テーブルの上にあった、塩と胡椒を使って、どう味を直そうとしても無駄というシロモノでした。


June.22,2000 鶏唐揚げ野畑ご飯

        池袋にまだ[文芸座]があったころは、よく池袋へ行ったのだが、このところはさっぱり縁がなくなってしまった。[文芸座]へ行くと、よく定食屋の[大戸屋]で食事をした。なんでも安くてボリュームがあったから。その[大戸屋]がなんとチェーン展開するとは、思いもよらなかった。ここ数年で若者の街を中心にして店舗を増やした。最近私がよく利用するのが、駿河台下店。渋谷店などは、いつも混んでいるが、ここはまだあまり知られていないらしく、比較的空いている。

        メニューは、一般的な焼魚定食やら、ハンバーグ定食やら、トンカツ定食やらの定番ものも数多く取り揃えているが、面白いのが、2ヶ月単位で替わる期間限定メニュー。実は私は今、この6月と7月の期間でやっている[鶏唐揚げ野畑(のばたけ)ご飯]というのにハマってしまっている。

        [めぐみ鶏]って何の事やらわからないけれど、そんな事はどうでもいい。ええっと、ご飯の上にですね、ひとくち大の鶏の唐揚げがざっと6〜7個乗っていまして、やはりひとくち大の茹でたジャガイモが5〜6個。さらには茹でたブロッコリーに、薄く斜切りにしたネギを少々。この上から甘辛いタレがかかっている。タレの感じが天丼のタレに近くて、何となく鶏肉の天丼を食べているようで、それでいて、野菜は揚げないで茹でてあるからくどくない。

        ただですね、このネーミング何とかしてもらえないだろうか? 店に入ったところで最初にレジで精算する前金制なのだが、「何にいたしましょう」と言うから、こんな長くて恥ずかしい商品名を言うのが嫌だから、「コレ」っと写真を指差すと、「はい、鶏唐揚げ野畑ご飯でよろしいですね」と確認するのだ。マニュアルで決まっているのだろうが、席に着いて待っていると、出来あがったものを持ってきた店員がまた言うのだ。「はい、鶏唐揚げ野畑ご飯です」。

        現在、期間限定のメニューは、これ以外にもあって、いちいち長ったらしい商品名が付いている。[海老と豆腐の黄金(こがね)あんかけご飯][玄米コロッケの湯葉張り椀(ゆばはりわん)と冷汁(ひやじる)うどん][昆布ポン酢の鰯ハンバーグ定食]。

        これらのネーミングは誰が付けるのか知らないが、もう少し短くしてもらえないだろうか? 今のところは、まだ許せる範囲だが、この大好きな[鶏唐揚げ野畑ご飯]を[コッコちゃんの野畑をお散歩]なんて付けるようになったら、私は行かれなくなってしまうだろう。


June.17,2000 林林餃子

        衆議院議員選挙の立候補者の宣伝カーが、スピーカーで候補者の名前を連呼して通りすぎて行く。毎回、選挙になるたびに思うのだが、あれって何なんだろう。宣伝カーと書いたのは冗談ではない。何か、候補者の主張を訴えているわけではなく、ただただ名前を叫んで、「頑張っております」「もう一歩でございます」「皆様の暖かいご支援をよろしくお願いいたします」って、聞いていると腹が立ってくる。頑張るのは当たり前。もう一歩ってなぜわかるんだ? 暖かいご支援って、お前なんて大っ嫌いなんだよ! 今の政治家って、何か自分の理想を掲げて政治に取り組もうというのではなくて、仕事、金儲けのために政治家になろうとしているような気がしてならない。何の事ない、単に就職活動をしているだけじゃないか。

        いかんいかん、ついつい怒りで話がヘンな方向に行くところだった。ただでさえ、選挙カーでうっとうしいこの梅雨の時期、サオダケ屋の車がやって来た。いや、サオダケ屋だと思ったのだ。あの「サオヤー、サオダケ!」という節が聞こえたからだ。「うるせえなあ、サオダケなんていらないって!」。ところが、よく聞いてみると、節は「サオヤー、サオダケ」なのだが、なんと「ギョウザー、ギョウザ!」と言っている。な、何だ、何だ! 何事だ! 表へ出てみるとワゴン車が止まっていて、後ろのドアに赤提灯が下がっていて、そこに[餃子]の二文字。

        車の後ろに近づいてみると、メニューが出ていた。肉餃子、野菜餃子、キムチ餃子、カレー餃子、ゴボウ餃子の5種類。すべて12個入りで500円。迷っていると運転席から、白衣を着たニイチャンが出てきた。その胸には[林林餃子]の文字が。おそらく、[リンリンギョーザ]と読ませるのだろう。
「蒸してありますから、さっと焦げめがつく程度に焼けばいいようになっています。このまま冷凍保存すれば1ヶ月でも持ちますよ」
「それじゃあ、このキムチ餃子とカレー餃子をもらおうかな」
「ありがとうございます」

        カレー餃子は、カレーライスのルーが餃子の皮で包んであると思えばいい。アツアツのを食べたら、口の中が火傷しそうになった。キムチ餃子はピリッとして美味しい。両方とも十分に味がついているので、醤油も酢もラー油も必要なし。

        さて、ニイチャンとの会話のつづき
「てっきり、サオダケ屋が来たんだと思ったよ」
「ええ、よく言われるんですよ。これでもね、川越じゃ、ちょっと有名なんですよ」

        川越で有名だとは知らなかったなあ、ハハハハハ。どうだ、この際、選挙カーもサオダケ屋の節で候補者の名前を連呼して走っていったら。「ヤマダー、ヤマダ!」とかさ。そうしたら、一票入れてやってもいい―――って、そんなことするか!


June.14,2000 青とうふ

        スーパー・マーケットで岩手の物産展をやっていた。そこで売られていたのが、この豆腐。

        『青とうふ』というネーミングそのまま、なんとなく緑色をしている。原材料の表示を見ると、青大豆となっている。な、何だ、青大豆って! いいかげんなことを書くと、金沢の下地さんに笑われそうだが、大豆って、元は枝豆だよね。まだ緑色をしているうちに収穫しちゃって、茹でて食べるのが、いわゆるビールのツマミになる枝豆。それで、黄色くなるまで放っておいてから収穫して、乾燥させたのが大豆。違いますか? それでですね、この青大豆っていうのは何なんだろう。ということは、まだ緑色の時点で収穫しちゃって、それを乾燥させちゃったのだろうか? 

        物産展の人が、この豆腐は必ず冷奴で食べてくれと言う。そうしないと風味が飛んでしまうんだそうだ。そして十分に美味しいから、醤油や薬味もいらないと言う。家に帰ってビールのツマミにしたんですがね、口に入れると、フワーッと豆の香りがする。それも枝豆の! 確かにこれは醤油をかけてしまうと香りが消えてしまう。むっ、醤油も原材料は大豆か! なんだかニガリの味しかしない豆腐が多い中で、この豆腐は本当に豆の味がした。

        ところで、この豆腐、すごく硬くできているんですよ。ちょっとやそっとでは崩れない。それこそ、カドに頭をぶつけると死ねるんじゃないかと思うくらい(ウソウソ)。


June.10,2000 ゆで卵ごはん

        生卵かけごはん、目玉焼き丼ときて、子供のときによくやった【ゆで卵ごはん】というのを思い出した。ゆで卵の殻をむき、お椀の中に入れる。このゆで卵を、細かく箸で割っていくわけだが、まずは横に一線、箸で卵を挟むようにしてザックリと二つに別ける。その後箸で、そうですね直径5ミリくらいの小片になるまで細かくしていく。ただし、これは白身の部分のみね。黄身の部分はあまり細かくしてしまうと美味しくない。これに塩を少々ふる。醤油でもいいのだが、私は塩の方が好み。これをアツアツのごはんにのせて食べる。大好きだったのですが、私以外でこういう食べ方した方はいらっしゃいませんか?


June.5,2000 鮭白子缶詰

        新潟のお土産に貰った缶詰。写真だと一方向しか写せないから、全体の商品名が読めないのだけれど、正確に商品名を記すと、『ホタテ風味 三面川の鮭なわた』。写真の下の方で読めるように、ようするに鮭の白子を缶詰にしたもの。

        一口食べてみて、なんとなく味が物足りない気がしたので、甘辛く煮て食べた。まあ、魚卵と同じで、白子の方も、どの魚の白子を食べても味は似ている。缶詰のラベルにいわく、「味わい格別。鮭の白子には、細胞を活性させ、お肌をスベスベにする高純度のデオキシリボ核酸(DNA)が豊富に含まれています」ということだ。

        鮭の卵というと、イクラだよね。そういえば、魚卵は商品になりやすいけれど、白子は商品になりにくい。魚屋で目に付く白子というと、タラくらいかなあ。ふぐ料理屋で食べる白子は旨いけれど、あれはふぐ料理屋でしか見たことがない。ちなみに私、にしんの塩焼きを食べたとき、数の子が入っているときよりも、白子が入っていたときの方が嬉しい。あのとろーっとした味わい、好きなんですよ。


June.1,2000 ざるぼたセット

        先日『アームチェア』の方でも書いた、蕎麦屋のセット・メニューの件なんですがね、立ち食い蕎麦屋から発生したんだと思うのだが、蕎麦におにぎり、ないしは、蕎麦にいなり寿司といったセットをやっているところがあるんですね。ここ数年、お客様からもそういった要求がある。そういったものを出すのは面倒だという理由以外に、私には、箸で食べる蕎麦と、手で食べるおにぎりやいなり寿司を一緒に出すという考えがよくわからない。

        右手でおにぎりやいなり寿司を食べるとするでしょ。途中で一旦おにぎりを皿に置いて、ベトベトになった手で箸を持って蕎麦食べるんですか? そしてまたおにぎりを食べるんですか? それとも全て箸で食べるんですか? あるいは右手で箸を持って蕎麦を食べ、左手でいなり寿司を食べるんですか? どちらにしても、手で食べることになると手が汚れる→お手拭を要求される。こちらには、お手拭を用意する手間や費用を負担する気になれない。というわけで、他のセットものと同様、ウチではやっていません。

        そういえば、以前、テレビで見たのを思い出したのだが、巣鴨の蕎麦屋で、ざるそばとぼたもちのセットを出しているところがあるという。そういえば、ぼたもちなんて随分と食べてないなあ。ぼたもちって、おはぎと同じ食べ物でしょ? 今、広辞苑で見てみたら、へえ、ぼたもちって牡丹餅と書いて、表面のアズキの部分が牡丹の花に似ているからだって。そうかなあ、似ているかなあ。おはぎはお萩で、こちらも萩の花の咲きみだれる様に似ているからだって。ええい、どっちの花に似ているんじゃい!

        ぼたもちって箸で食べます? 手で食べます? そんなことはどうでもいいや。で、その店の主人いわく、ざるそばを一口食べ、そのあとぼたもちを一口食べる、そしてまたざるそば。こうやって食べると美味しいんだそうな。食べタレのレポーターが「本当だあ! 美味しーい!」とやっていたが、ハハ、あたしゃ、ごめんですな。どんなに旨かろうが、一生涯、こんな食べ方をしないで墓に入ったとしても、まるで後悔しないもんね!

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