October.29,2000 名古屋TOP3、なごや一番

        名古屋というところも、駅弁の種類が豊富なところである。当コーナーの2月に書いた[トッピングオムズ]だけでなく、食べたくなる弁当が売店にズラッと並んでいる。今回は、その中から、いかにも名古屋らしいものを選んだ。これが、[名古屋TOP3]という駅弁で、名古屋人の好きな3大おかずが入っているというもの。すなわち、エビフライ、名古屋コーチン、ミソカツ。

        それでは、ご紹介。
エビフライフライドポテトオレンジゼリー
みそかつ千切りキャベツ
チキンライス
きしめんサラダプチトマトパセリ

        名古屋人はエビフライが好きだと言い出したのは、おそらくタモリからだろうが、最近はどうやら名古屋人も認めているようだ。実は私には名古屋に嫁いだ従妹がいるのだが、彼女曰く「名古屋のエビは大きさが決め手ですから」 名言だと思いましたね。飲食店のサンプル・ケースを眺めていても、エビの大きいこと!

        今回は、もうひとつオマケ。もうひとつ買って帰って、家で食べた。おっ、俺の胃袋は宇宙だあー! あっ、『フード・ファイト』はもう終わっちゃったんだっけね。げふっ。ええっと、これが[なごや一番]。名古屋名物といわれるものがズラリ。

みそかつチキンエビフライ手羽先の唐揚げオレンジ
きしめんサラダ守口漬ういろう
ごはん(トッピングに卵そぼろ鶏そぼろチキンの照り焼き
煮物(卵焼き人参椎茸フキ里芋

        ね、金沢の下地さん、ちゃんと手羽先が入っているでしょ。ちなみに、ういろうは、ハハ、ハハハハハ――――――食べませんでした。


October.26,2000 生せんべい

        中日劇場のロビーにある売店で、信じられないものを見てフリーズしてしまい、迷わずに買ってしまった。これ、知ってます?

        生せんべい!? は、蜂蜜入り? 中日劇場みやげ? 原材料はと見ますと、白米、蜂蜜、黒砂糖、上白糖。うへー、物凄く甘そう!

        このまま食べるのだそうで、恐る恐る包装紙をはがす。ははあ、黒砂糖の部分と白砂糖の部分のふたつに分かれているわけね。で、味の方ですが、思っていたほど甘くはない。口の中での触感はネチャネチャとした米の菓子を食べているといった感じ。

        インターネットってさすがですな。今、気になって検索入れたら、販売元の田中製菓のホームページが見つかった。興味のある人はクリックしてみて。


October.22,2000 [黒豚屋らむちい]の黒豚味噌かつ

        中日劇場の近くで食事をしようとして、はたと迷った。うなぎの[ひつまぶし]が食べられる[以ば昇]に行きたいところだが、この日は日曜日で休み。[味噌かつ丼]の[叶]も日曜定休。味噌かつなら[矢場とん]という手があるのだが、いささか遠い。さて何を食べようか。『新・名古屋嫁入り物語』の開演まで、あまり時間がない。栄の街を歩くうちに、[黒豚屋らむちい]の看板を目にする。うん、味噌かつもある。

        地下にある店に入り、[黒豚味噌かつ御前]を注文する。しばらくして到着。えっ!、でも刻んだネギが山盛り状態でカツが見えない。

        ネギと一緒にカツを頬張る。柔らかくて旨い。割とあっさりとした味付けで、味噌かつとしては、かなり上品な印象。とかく、くどいというイメージの味噌かつだが、そのへんを嫌う人にはお薦め。ネギから出る水分も、マイルドにしている原因かも。美味しかったです。ごちそうさま。


October.19,2000 コロ

        とにかく何処へ行っても飲食店のサンプル・ケースを覗いて歩くのが好きで、これが国内旅行の楽しさだと思っている。どうやら、韓国にもあるらしいのだが。

        名古屋を夏に初めて訪れたのはいつだったろうか? 例によってサンプル・ケースを眺め歩いていると、蕎麦屋の入口に「コロ始めました」の貼り紙があった。コロってなんだろう? コロッケのことかなあと、ぼんやりと思いながら歩いていると、別の蕎麦屋のサンプル・ケースが目に入った。[きつねコロ]という札があって蝋細工のサンプルが飾ってある。ははあ、東京でいう[冷やきつね]のことかな。

        一応、正確に確かめてみたくて、泊まったホテルのフロントの男性に訊いてみた。「あのー、蕎麦屋やきしめん屋で[コロ]っていう文字をみかけるのですが、[コロ]って何ですか?」 するとフロント氏、何か言い憎そうに「よく知らないんですが、冷たい麺のことを言うんじやないですか」 名古屋に住んでて、よく知らないはないと思うのだが。


October.15,2000 手羽先の[世界の山ちゃん]

        名古屋での、手羽先の唐揚げの元祖は[風来坊]で、もう30年ほど前に考案して、大人気になったそうだ。私が最初に食べたのが、もうかれこれ10年以上前。今や全国に50店舗以上あるそうだが、当時はそんなになるとは思わなかった。店に入り、「ビールと手羽先をください」と言うと、「手羽先は何皿お持ちしますか?」と尋ねられた。「一皿」と答えると「一皿5本ですけれど、いいんですか?」と言われた。どうやら、この店に来る人達は、何皿もまとめて注文するらしい。

        やがて目の前に置かれた手羽先は、思っていたよりも小ぶり。いい色に揚がった甘辛いタレのついた手羽先は、確かに旨かった。5本なんて、あっという間に食べ尽くしてしまった。

        都内の某有名餃子専門店に行くと、やはり「何皿にしますか?」と訊かれる。餃子ばかり何皿も食べる気はしないから、「一皿」と答えると「本当に一皿でいいんですね」と確認の言葉が返ってくる。回りを見まわすと、みんな皿を積み上げて食べている。そんなに餃子ばかり食べて飽きないかなあ。ちなみにその某有名餃子専門店、私の口にはとても旨いとは思えず、二度と足を運んでいない。焼き餃子など、台湾や香港の屋台の方が、よっぽどレベルが高い。

        いかん、話があらぬ方向へ飛んでしまった。手羽先である。[風来坊]の手羽先は旨かったが、かといってもう一皿注文するという気はなかった。同じものそんなに沢山食べる気にならないんですよ、私。その後何回か名古屋へ行っているが、他にも食べたいものが多く、手羽先にまでは手が、胃が回らなかった。[風来坊]の対抗勢力として[世界の山ちゃん]の手羽先が人気があるというのも知っていた。この辺で、[世界の山ちゃん]の手羽先も食べておかねば。

        [世界の山ちゃん]も名古屋市内に13店舗。中でも一番大きくて、190席あるという錦店に行くことにした。午後9時。満席。空席待ちが4組。ここまで来たからには帰るわけにいかない。店内は圧倒的に若者が多い。じっと待つ事15分。カウンター席に案内された。ビールと手羽先、串カツ、ドテなどを注文。

        ここの手羽先は、確かに[風来坊]に較べるとスパイシー。胡椒の味が強い。なんとなくケンタッキー・フライド・チキンのスパイシーさに近い。なるほど、これはどちらかというと若者に受けそうな味だ。アツアツの手羽先を手を火傷しそうになりながら食べる。やっぱり手羽先は手で持って食べなきゃ。うーん、旨い。ごちそうさま。

世界の山ちゃんホームページ


October.12,2000 [美ゆき]の味噌味のおでん

        私の住むところは、都営地下鉄新宿線の浜町駅にも近い。この浜町駅からひとつ乗ったところに森下という駅がある。この森下の交差点に[山利喜]という居酒屋があるのを知ったのは、もう20年くらい前のことだった。今は2回の改装で広くなったが、当時はカウンターのみで、20人も入ればいっぱいという状態。人気があったから、入れずに帰るということも、よくあった。

        メインはヤキトン屋なのだが、他にも刺身だろうが、揚げ物だろうが、一通りのものは出す。しかし、ここへ行く目当ては、もつの煮込みにあった。ここの煮込みに遭遇したときは、今までの煮込みに対する概念が吹っ飛んでしまった。煮込みには醤油味と味噌味があるが、ここのは味噌味。しかも、何だこの味噌は? あっ! ひょっとして八丁味噌! このときからである。私が八丁味噌のとりこになってしまったのは! 

        しかも、この店の息子がフランスに料理の勉強に行っていたとかで、帰ってきて、この煮込みに工夫を加えて、まったく新しい料理に変えてしまったというのだ。詳細は秘密らしいのだが、大量の赤ワインとブーケガルニで煮こむらしい。一度、鈴木を連れていったらば、「おい、これはフランス料理だよ。ワインは置いてないのかここ。フランスパンがあったらなあ」と叫んでいた。その後、鈴木みたいな客がいたみたいで、現在はワインもフランスパンもメニューに加わっている。

        あるとき常連とおぼしき人が「ニコタマね」と言うのが聞えた。はて、壁に張り出されたメニューを見ても、そんなものは出ていない。何だろうと思って、その人の前に出てきたものを見たらば、なんと煮込みの中に煮卵が入っているではないか。八丁味噌で、ようく煮こまれたその卵はまっ茶色をしていて、とても美味しそうだ。「あっ、ぼくもニコタマちょーだい!」「はいよ!」。煮込みの入った大きな鍋の前にいるオバチャンが、煮込みと煮卵をよそってくれる。う、旨い。何て旨いんだ。

        前置きが長くなってしまったが、名古屋には八丁味噌味のおでんを食べさせる店があると知った時、この[山利喜]の煮卵を思い出していた。おでん材料を八丁味噌味で煮たら、さぞかし旨いだろう。とくに大根なんて旨いだろうなあと思った。ところが、名古屋に行けば、こんな店はゴロゴロあるだろうと思っていたのだが、これがさっぱり見つからないのだ。どのおでん屋も醤油味なのだ。

        ガイドブックに載っている有名な店がある。その名を[つる軒]という。なんと予約制。一日に3組のみ。システムはコースのみで6700円。うーん、おでんに6700円はマトモとは思えない。他にないだろうかと捜していたのだ。そして、今回捜し出したのが八事にある[美ゆき]。古い居酒屋のようなものを想像していたのだが、店の前に立って驚いた。きれいな作りの小洒落た居酒屋だ。味噌味のおでんは、カウンターの中で煮えていた。

        これだ、これだ! 串に刺さった材料がまっ黒なタレの中に浸かっている。「あ、あの、おでんをください」「あー、おでんだったら、勝手にその鍋から横に置いてある皿によそって食べてください」。システムは食べた串の数で勘定するらしい。一本150円だという。

        入っていたのは、厚揚げ、大根、里芋、コンニャク、牛スジ、そして煮卵。旨い! これだこれだよ、捜していたのは! おでん以外にも、和風から洋風、中華までメニューはあったが、おでんだけ食べて店を出た。ああ、幸せ!

[美ゆき]のホームページ


October.9,2000 名古屋スパゲティ事情

        名古屋でスパゲティといえば、今や全国的に有名になった(?)[マウンテン]の[甘口抹茶小倉スパ]であろう。えっ?知らない? そういうあなたは幸せである。聞いて驚くなよ。抹茶ソースをからめたパスタを茹でる(うへー)。その暖かいパスタの上に生クリームと小倉あんをトッピング(うげー)。さらに缶詰のチェリーと桃を添えてある(気絶)。一説によると単なる冗談メニューらしいのだが、どうやら注文する客がいるようなのだ。

        こういう甘いスパゲティを売っている店は[マウンテン]だけだろうが(そう願いたい)、割とよく見かけるのが、[あんかけスパゲティ]というやつ。

     

        スープ・スパゲティに、とろみをつけてしまえという発想なんだろうけれど、イタリア人はどう思うだろうか? それでですね、私、上の写真を撮ったあと、その横に信じられないものがあるのに気がついたんですよ。

   

        こ、これって、スパゲティを使って、ソースやきそばを作ってしまったってことでしょ。きざみ海苔に、おかかに、紅生姜までトッピングしてある。イタリア人の方、卒倒しないでね。実はね、『翁庵新メニュー開発ぷろじぇくと』でそのうちに書こうと思っているのだけれど、以前から蕎麦でソースやきそばを作るというのは、店には出さないのだけれど、個人的に食べるために、よく作るのだよ。これがまた旨いのだ。さて、うーん、『翁庵新メニュー開発ぷろじぇくと』で蕎麦の替わりにスパゲティを使うというのはどうだろう。カレー南蛮スパとかさ。インド、イタリア、日本友好蕎麦なんていいではないか。何の意味があるのかは別として。


October.5,2000 [笹安]のミニコーチンづくし

        名古屋名物は数々あるが、まずは名古屋コーチンからいってみよう。以前から一度、名古屋コーチンのコース料理を食べてみようと思っていたのだが、いかんせん高すぎるのだ。安いところでも4000円から。中には12000円なんてところもある。そんなわけで、もう少し安く食べられる店はないものかと捜していた。見つけましたよ、今回。名古屋駅のほど近く、ランチタイムならば、3000円でコース料理を出してくれる店が。その店の名前は[笹安]。で、これがその3000円の[ミニコーチンづくし]

        季節によって内容が変わるようで、上のメニューの写真とは、いくつか違うものが出てきたが、どれも美味しくて、けっこうな量があるので、お腹いっぱい。とてもミニなどではない。

        最初に出てきたのが、霜降り胸肉のたたきポン酢かけ。中心が生で、回りを焼いた焦げ目が旨い。次が銀杏豆腐の上に茹でた小茄子を乗せ、鶏味噌をかけたもの。そして、鶏つくね汁。

        焼鳥盛り合わせが到着。もも肉、皮、そして鶏の粕漬け。この粕漬けが絶品だった。私思うに、粕漬けって脂が乗っている素材の方が断然旨い。だから魚類でも、真鱈とかイカといった淡白なものよりは、銀鱈のようなものの方が旨いと思うのですが、いかがでしょうか。脂と一緒に焦げた酒粕の旨さといったら、もう!

        。これまた名古屋名物の八丁味噌で味をつけた味噌鍋。小さな鉄鍋に入れて、ミニこんろで食卓に乗せてくれる。ぶつ切りの名古屋コーチンに、豆腐、大根、人参、ニラ、糸コンニャク、モヤシ、ゴボウ、シイタケと、よくぞこんなに小さな鍋にこれだけの素材を入れたものだと感心。煮えあがったところで、ふーふー言いながら食べる。ごろっとした名古屋コーチンのぶつ切りは、弾力があって、噛締めるほどに旨みがじわーっと出てくる。

        鶏の唐揚げも到着。それに別皿でサラダの盛り合わせ。レタス、キューリ、ミニトマト、アスパラ、ミニコーン。もうこの時点で、腹いっぱい。このあとは、お食事となりますというので、もういいと断ろうと思っているうちに、ご飯らしきものと、漬物が来てしまった。蓋を開けたらば、これは雑炊。ご飯なら止めようと思っていたのだが、雑炊ときては納まらない。鶏のよくきいたダシの雑炊で、鶏ひき肉、三つ葉、それを卵でとじてある。う、旨い。

        デザートが、アイスクリーム。一口食べたら、なんと柚の味のアイスクリーム。こうして、私はとうとうミニコーチンづくしコースを完食してしまった。


October.2,2000 幕の内弁当[歌舞伎]

        名古屋に向かう、ひかりに乗った。これが8月の当コーナーで書いた[相撲]の姉妹品[歌舞伎]の中身である。私が予想した切干大根は残念ながら入っていなかった。

        それでは、内容チェッーク!
一口カツ、鶏照焼き、レタス
シャケ、卵焼き、カマボコ
インゲン胡麻和え
煮物(里芋、鶏つくね、しいたけ、ニンジン、ギンナン、フキ
漬物
ナマス
あんず
ごはん、ごま塩梅干

ごちそうさまでしたー!

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