Augast.22,2007 ソースカツ丼初体験

        カツ丼といえば、いわゆる卵でとじているものが主流だが、、それに次ぐものとしてソースカツ丼が存在する。日本全国各地で、「ウチが元祖だ」と主張しているところがあるようだが、まあ、もともとトンカツはソースをかけて食べる物なんだから、それを丼にしようとしたらソースをかけるのが普通の考えのような気がするわけで、親子丼式に玉子とじにしてしまう方が特殊な気もするわけです。

        今の店を始める前の店でも、一時期ソースカツ丼を出していた記憶がある(そのころ私は幼児でしたから)。ご飯の上に千切りキャベツをひいて、カツを乗せてウースターソースをかけて出すだけのものだったと思う。そのうちにメニューから消えてしまったのは、やっぱり玉子とじ式のカツ丼の方が人気があったからでしょうね。

        各地でソースカツ丼は存在するものの、なぜか東京ではお目にかかったことがない。これもまた不思議。ソースカツ丼は旨いという話だけは耳にするのだが、今まで食べたことがなかった。「そんなこと簡単さ。トンカツ屋へ行ってトンカツ定食を頼んで、ご飯の上にトンカツを乗せてソースかければ出来上がりじゃん」 う〜ん、それはそうなんだけど。

        新聞を見ていたら、日本橋高島屋で長野フェアがあり、そこでソースカツ丼が食べられると広告が出ていた。よ〜し、行ってみようじゃないの。催物会場の一角にイートインのコーナーが設けられていて、長野名物の料理がいろいと売られている。その中で、ありました。ソースカツ丼。ロースとヒレがあり、ここは当然ロースでしょとロースを注文。950円。安い! それも、現物が目の前に置かれるや、この安さは尋常じゃないことに気づかされた。



        カツの肉の厚さ、そうですねえ、1.5cm〜2cmといったところでしょうか。それが四つに切ってご飯の上に乗っかっている。千切りキャベツが敷かれていて、その上にタレにつけた巨大トンカツがドーンと乗っているんですね。とりあえずカツを一口。このタレが絶妙なんですな。おそらく秘伝のタレってことでしょうが、ウースターソースやトンカツソースとは別物。サラッとした甘みの強いタレです。もちろんこんな分厚い肉だから、一口で一切れは食べられない。良く四口くらいかかったでしょうか。

        肉は柔らかい。といっても東京のトンカツの名店のように箸でも切れるというほどの柔らかさではなく、けっこう咬むのに顎に力がいる。いやいや、若い人はいいでしょうが、私のようなオジサンには少々持て余しましたな。コレステロールもカロリーも気になるし。半分ほど食べたところでギブアップしそうになりましたが、それでも食い意地に負けて完食。

        これはこれでいいんですが、私の好みとしては、いささか肉が厚すぎる。トンカツを食べているというよりも豚肉の塊を食べているという感じになっちゃうんですよ、これは。フライ物の魅力は素材だけでなく、パン粉のコロモにあると思う私は、できたら、肉はもっと薄くてもいいから、しっかりとコロモのついたソースカツ丼が食べたいなあと思ったのでありました。


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