風雲電影院

10人の泥棒たち(The Thieves)

2013年11月6日
キネカ大森

 韓国映画。

 韓国の窃盗チーム6人と、香港の窃盗チーム4人が組んで、マカオの賭博場に滞在している人物が持っている宝石を盗む話。

 10人がかりでやる仕事にしては、なんだかツメが甘いというか、計画がいい加減。第一、狙われる人間は、なんでそんなに高価な宝石を持ち歩いているのかわからない。

 それにこれ、本当に10人も必要なのというくらい役割分担がイマイチわからない。韓国チームの手口はワイヤーを使って外壁から忍び込むというものだが、外からバレバレでしょ。ワイヤーを操作する人間とか、忍び込んでから金庫を開ける開錠師とかは必要だけれど、10人は必要ないでしょ。関わった人間が多ければ多いだけ足が付く可能性が高いわけだし。

 香港チームの中にサイモン・ヤムがいるのはうれしかった。韓国チームのキム・ヘスクと共に日本人の夫婦という触れ込みでカジノにやってくる。ここでの日本語は、そこそこ上手いけれど、ビミョーなところで、そのへんは楽しい。ただこのふたりの役割がこれまたよくわからない。宝石の持ち主をカジノから出さない事が目的なのだろうけど、最後はその場で強盗になってしまうっていうのが、これまたよくわからない。いや、行きがかり上、そうなったのだとしても、あまりにスマートさに欠けるでしょ。
 前日に『グランド・イリュージョン』を観たばかりということもあって、あの鮮やかさに比べると、あまりにドンくさい。

 そして案の定、仲間内の出し抜き合戦。あまりに多くの人間が死んでしまう。そのへんも後味が悪い。

 ワイヤーを使って盗みに入るという伏線から、最後の釜山の街のビルの壁を使ったアクションは面白い。よくぞ撮ったもの。これだけでも良かったんじゃない?

 結構人が死んだ割には、ラストはコミカルに終わる。死んだ人は報われないけどねー。

11月7日記

静かなお喋り 11月6日

静かなお喋り

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