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風雲電影院

29歳問題(29+1)

2018年5月27日
恵比寿ガーデンシネマ

 一ヶ月後に30歳の誕生日を前にした香港の女性の物語。
 いわゆるアラサー女性問題。

 私が30歳になろうとしていた頃、周りの同年代の女性たちの様子が変わって来たなと感じていたが、なにをそんなに焦っているんだろうという気にしかなれないでいた。今から思うと、やはり彼女たちにとっては結婚というのは切実で切迫した問題だったに違いない。
 私は男だし、もともとあまり結婚願望も強くなく、結婚に関しては「成り行きだろうな」くらいにしか考えておらず、仕事も忙しかったし、趣味も多かったから、知らず知らずのうちに30歳を超えていた。

 『29歳問題』は、初監督のキーレン・パンが、作、演出、出演した一人芝居の映画化。去年、香港で大ヒットしたらしい。
 クリスティは化粧品会社に勤めるキャリアウーマン。昼間はオフィスでバリバリ働き、夜は同期の女子会で盛り上がる。順風満帆な様子。ある日、借りていたアパートから大家さんの都合で出て行かざるを得なくなる。とりあえずの間借り先は、一ヶ月間パリへ旅行中の面識のない女性の部屋。
 クリスティは30歳を前にしている。周りはどんどん結婚していく。クリステイにも恋人もいるのだが、相手はいまいち煮え切らない。そして会社では社長より今よりも責任のある仕事を任せられ、プレッシャーを感じ始めてしまう。

 このクリスティを演じるのは、チャウ・シンチーが監督した『西遊記〜はじまりのはじまり』で、スー・チーの部下の一人で出ていたクリッシー・チャウ。美人だな〜と思っていたが、ここで再会できるとは。

 そんなとき、クリスティは留守中の女性の日記を読んでしまう。

 おいおい、人の日記を勝手に読むなよと思うのと同時に、そんなものを置いたまま人に自分の部屋を貸すなよと思ってしまう。

 この部屋の本来の住人はティンロという女性で、クリスティとは誕生日まで同じ同い年。中古レコード店で働いている小太りで眼鏡をかけているイケてない女性で、クリスティとは正反対。留守中をクリステイに部屋を貸すことになったティロンはクリスティにヒデオレターを残していた。パリへ行くことが昔からの憧れで、初めての海外、初めての一人旅にウキウキしている様子が感じられる。

以下、ネタバレになりますので、未見の方はご注意ください。

 ティロンは容姿もパッとしないし、仕事もクリスティに較べるとパッとしない。しかし明るく楽天的な性格。30歳を前にして健康診断を受けると乳癌が判明。
 ああ、ああ、そっちへ行っちゃうんだ。御免なさい。あまりそういう展開にはしてほしくなかったというのが正直な気持ち。実際、若くして癌になる人もいるわけだけど、実話じゃないんだから、そっちへは行かないでほしかった。
 クリスティは手術を前にして、中古レコード店を辞め、一ヶ月間のパリ旅行に出たのだった。
 まあ私ももっと年を取ってからだけど、癌が発覚して一ヶ月後に手術というので仕事を辞めたけれど、それはもう、それを機に引退を決めたから。それにティロンはステージ3だけど、私はドン詰まりのステージ4だぜ。パリに一ヶ月は人生の転機としていいけど、店を辞めるほどの事かい?
 まあそれは本人の考えだからいいとしましょう。すごく引っかかったのは、ティロンには恋人未満といった感じのボーイフレンドがいる。これがね〜、実によくわかんないやつなのよ。ティロンの部屋に自由に入れるらしいのだけど、ティロンから「手術をする前にセックスして」と言われて、モジモジしたあげく、「手術が終わったら」って、おめえ、何やってんだよ! 女性が自分の部屋まで男を入れてセックスしたがっているのに、なんで抱いてやらないんだよ! あ〜、イライラする!
 そしてティロンはひとりでパリに旅立つのだけど、なぜかパリの街の中でも大好きなぬいぐるみと一緒・・・って、ううう、痛い。痛すぎる。30歳になろうとしている女がぬいぐるみ抱きながらパリの街を歩くなんて。

 御免なさい。私は男だし、もっというともうシジイだし、言いすぎだったかもしれませんね。でもこれ、私にはちょっと観ているのが恥ずかしくなってしまう映画でした。

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