風雲電影院

ブレイド(Blade)

2013年3月25日
三日月座BaseKOMシネマ倶楽部

 1998年作品。これは観ていなかった。

 一応ヴァンバイア映画なのだが、おそらくそれまでのヴァンパイアものとは大分趣きが違うと言っていい。おどろおどろしい吸血鬼は出てこない。姿形は普通の人間。昔ながらの吸血鬼らしさもない。

 元来、吸血鬼は弱点が多すぎるが、ただこの映画では十字架は通用しない。日光に弱いとか、ニンニクを嫌うとかはここでも有効だし、銀の弾丸を食らうと消滅するのもよくあること。心臓に杭を打つは、この映画では登場しない。そんなまだるっこしいことはしない。なにしろ主人公は吸血鬼ハンター。銀の弾丸の入った銃で次々と相手を吹っ飛ばす。ジェフリー・スナイプス、かっこいいー! そしてカンフー技で闘う・・・? カンフーじゃ吸血鬼は倒せんだろうが!?

 背中にはなぜか長剣を背負っている。これで街中を歩いているのだから目立つだろ! 警察は刀を背負っている人物を放っておくのか? ロングコートを着ているとはいっても、刀の柄が丸見えじゃん。コートと刀というと、『ハイランダー 悪魔の戦士』を思いだすが、あれは1986年の作品。ひょっとすると参考にしたのかもしれない。そういえばあの『ハイランダー』もかっこよかったなよなぁ。当時私は、あれを見て映画館からアメ横へ直行してアーミーグリーン色のトレンチコートを衝動買いしてしまった事がある。

 この『ブレイド』の次の年の1999年に『マトリックス』が公開されているそうだ。ロングコート+カンフーアクションの組み合わせという共通項が感じられる。しかし『マトリックス』のCGには息を飲んだが、『ブレイド』はあれに比べてしまうと弱い。

 それでも、このころのアクションはカット割りやCGにあまり頼らず、身体を張っているなぁという印象。

 ホラーという感じにならないのは、やはり普通の人間がほとんど出てこないところにあるのかも。吸血鬼に襲われる人間たちというシーンがほとんど無い。ひたすら、吸血鬼対吸血鬼ハンターとの闘い。しかも、何やら古文書をコンピューターを使って解読して、最強の化け物になる相手との闘いなんて、もうもはや吸血鬼でさえない感じで、相手が吸血鬼である必要性ってもうあまり無くなっているのではないかと思えてきてしまった。

 ともあれ、ジェフリー・スナイプスのかっこよさと、アクションで2時間飽きさせない面白さだったことは確か。続編がもう2本作られたそうだが、一作目ほどのできではないとか。いつかチャンスがあったら観てみたいが。

3月27日記

静かなお喋り 3月25日

静かなお喋り

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