風雲電影院

墓石と決闘(Hour Of The Guns)

2013年3月11日
三日月座BaseKOMシネマ倶楽部

 1967年作品。

 むかーし、洋画三本立ての名画座で観たことがある。
 当時はもうマカロニウエスタン全盛で、これはやけに地味だなと思った記憶がある。
 何の予備知識もなく観に行ってしまったから、いきなり決闘シーンから始まるのに驚いたのと、この決闘が、いわゆるOK牧場の決闘なので何が始まったのかと思った。それもそのはず、これは『OK牧場の決闘』を撮ったジョン・スタージェスが、その後日談を描いた作品。

 ワイアット・アープがバート・ランカスターからジェームズ・ガーナーになり、ドク・ホリディがカーク・ダグラスからジェイソン・ロバーツになりで、配役まで地味になっている。しかも内容がまた派手さに欠けるときている。OK牧場の決闘で決着が着かないで、そのあともアープ兄弟は闇討ちされ、殺されたり重傷を負ったりする。復讐の鬼となったワイアット・アープは、クラントン一族を皆殺しにしていくというストーリー。もちろんクラントン一味は卑怯だし悪く描かれてはいるものの、アープの取る行動は行き過ぎじゃないかとすら思えてくる。
 いまから観直してみると、これがアメリカの正統派西部劇の終焉を象徴していたのかもしれない。これ以降に作られたアメリカン・ニューシネマの西部劇は明らかに違う。

 とにかく淡々としている映画だ。感情の盛り上がりなどもほとんど描かれない。なにしろ女性がまったく絡まない。男だけの世界だ。マカロニウエスタンには女性がまったく絡んでこない映画があるが、それとも違う。妙にクールなところが面白い。
 ドク・ホリディも、なんだか悲壮感が無い。医者から酒をやめろと言われても、こっそり飲んでいる。それも楽しそうに。

 今回も観終って、ワイアット・アープより、ドク・ホリディの方に魅かれてしまった。得なキャラクターだよなぁ。実際にはこのあとすぐに死が待っているのだろうが、思い込んだらとことこんまで行ってしまうワイアット・アープに対して、「しょーがねえなぁ」とどこまでも加勢に付き合うドク・ホリディ。人生捨てちゃった人間は強いってことかな。

3月12日記

静かなお喋り 3月11日

静かなお喋り

このコーナーの表紙に戻る

トップ アイコンふりだしに戻る
直線上に配置