風雲電影院

ランダム 存在の確率(Coherence)

2015年7月20日
新文芸坐

 [新文芸坐]の特集・特盛エンタメウイークでこの映画を観た。この特集は今年前半に公開された娯楽外国映画を集めたもの。どちらかというとあまり話題にならず、ひっそり公開されたもの中心の構成。なかでもこれは私は題名すら知らなかった。一月に、未体験ゾーンの映画たちという、劇場公開をしないままDVDになろうとしている映画の特集上映で限定公開されたものの一本で、評判が良かったらしくて、[新文芸坐]が拾ってくれたらしい。

 きわめて低予算の映画で、それでも撮り方によって面白い映画になるという見本みたいなもの。ただ、これを面白いと思うかどうかは、観る人を選ぶかもしれない。

 ある一軒家。気の合った仲間8人が集まりホームパーティーをやっている。この夜は彗星が地球に一番接近するとかで、何事か起こるのではないかというウワサがある。そこに突然の停電。どうなっているのかと外を見ると近所の家も停電しているものの、その先の家には電気が点いている。8人ともケータイは不通。それなら電気の点いている家に行って電話を借りようということになり出かけていく者がいるのだが・・・。

 帰って来た者の話は信じられないものだった。向こうにこの家とまったく同じ家があり、なかには自分たちとまったく同じ人間がいてパーティーを開いていたというのだ。どうも彗星か何かの影響で並行して存在するもうひとつの世界が出現したらしい。

 8人の中のひとりの女性。この人は今の自分の生活が上手くいっていないことに悩んでいる。もう一つの世界の自分はとても幸せそうだ。そこでもう一つの世界へ行って、そこにいる自分を殺して、そこでもう一人の自分として生きて行こうと画策するのだが・・・。

 といったお話。最初のうちは手持ちカメラ一台で撮っているので『ブレアウテッチ・プロジェクト』から始まった低予算ホラーの一本かと思っていたが、次々と謎が出てきて面白い。88分という短い映画で、ラストなんか面白い短編小説を読んだようなオチが付いていて、思わずニヤリとしてしまった。テレビ放映でもあったら、もう一度観て細部を確かめてみたくなった。

7月21日記

静かなお喋り 7月20日

静かなお喋り

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