風雲電影院

ザ・ドア 交差する世界(Die Tur/The Door)

2014年4月25日
キネカ大森

 2009年、ドイツ映画。

 父親が目を離したすきに、娘がプールで溺れて死んでしまう。これは自分のせいだと感じた父親は後悔の日々を送ることになる。そして五年後のこと、酔って夜の街を歩いていた父親は、とある路地に迷い込む。奥へ進んで行くと、そこにはドアがあった。そのドアを押してはいってみると、そこはあの五年前、娘が溺れ死んだ直前の場所と時間。男は間一髪で娘の命を助けることが出来た。よかったと思い自分の家に入ってみると、そこには五年前の自分がいる。五年前の自分は、闖入者である五年後の自分を泥棒と勘違いして襲ってくる。もみ合ううちに、五年後の自分は五年前の自分を殺してしまう。死体を庭に埋め、男は五年前の自分になりすまして、この世界で生活を始める。

 タイムスリップものというよりパラレルワールドものですね。でも未来の自分が過去の自分にすれ変わるというのは面白い。しかも娘の命は助けられたものの、娘は父親ではない誰かが、本当の自分父親を殺したと思い込んでいるというアイデアはわるくない。

 この映画がさらに面白くなるのは、どうやらこの世界は、未来からこっちにやってきて、しかも過去の自分を殺してすれ変わったのは自分だけじゃなくて、かなりの人数にのぼるらしいと気が付くあたりから。向かいに住む太った男の動きがちゃんと伏線になっていたりするのも、「なるほど〜」と思わせる。

 自分がふたり存在しちゃうとまずいから、過去の自分を殺しちゃうという発想がすごく面白くて、でもそう簡単に自分で自分を殺しちゃおうって気になるかなぁ。すごく躊躇があると思うんだけど。そこんとこが気になったけれど、これはこれでなかなか拾い物の一本でした。

4月26日記

静かなお喋り 4月25日

静かなお喋り

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