大脱出(Escape Plan) 2014年2月13日 スバル座 正月第二弾ということで、「いつかは観る」と思いながら、気が付いたらもう公開してから一ヶ月。上映していた映画館も、もう見切りをつけたらしくて、どこもやってないじゃん。調べてみたら、有楽町の[スバル座]でなら上映しているので、今頃になって観に行った。しかし、我ながら何やってたのかね、この一ヶ月間。<未体験ゾーンの映画たち2014>なんて観に行ってる場合じゃなかったでしょうが。今、ほかにも面白そうな映画、たくさん公開中だし。 シルヴェスター・スタローンとアーノルド・シュワルツネッガー主演のアクション映画。ふたりとも60代半ばにして、まだマッチョで売っているという、気味悪いといえば気味悪いコンビの映画。しかも、脱獄ものというわけで、囚人服姿っていうのも、なんかマッチョにして貧相という、もう痛さ全開みたいになっちゃってる。 それにしても、なんの予備知識も仕込まないで観に行ってよかった。この映画、中盤になったところで、この刑務所の仕掛けが初めてわかるという構成。いやぁ、びっくりしましたよ。これがこの映画のキモでしょ。外国ではどうやら、その部分を隠して宣伝していたらしいのだけど、日本の場合はポスター一枚からして、ぜーんぶバラしてたんだね。あの写真だけならまだしも、文字にしちゃってる。それに気が付かなかった私も私なのだけど、これはもう犯罪だよ。今回の敵は刑務所じゃなくて配給会社でしょ。 映画としてはね、それこそ正月映画らしく楽しませてくれる内容なのだけれど、な〜んかね、雑な映画って感じがする。刑務所から脱出するって、一番観たいのがその脱出方法のアイデアだと思うのだけれど、結構強引に力で勝負みたいな脱出方法。まあ、スタローンとシュワルツネッガーに知的な脱出劇を期待する方が悪いのかもしれないのだけれど。 プロローク゜の脱出はまだしも、本編の脱出劇というのは、なんかいい加減っぽくない? すごい監視システムを誇る刑務所というわりにはザルだらけ。投獄されてから何日もたたないうちに、脱獄を試みるスタローン。どう考えたって、この刑務所の構造をわかっているとは思えない状態で、よくぞ動き回れたものだけど、とにかく上へ上へと行けば逃げられるはずだくらいのズサン極まりない計画。脱獄のプロとは、とうてい思えない。それで結果的ニ、上へ上へと上がって行ったらば、この刑務所は、ムニャムニャムニャでしたじゃねえ。 とにかく背景がよくわからない映画。こんな刑務所、なんで作るの? そしてラストで、シュワルツネッガーや、スタローンの仲間がどういう正体なのかわかってくるものの、そういったこともどうでもよくなってくる。 ポール・ニューマンに Cool Hand Luke という傑作があって、日本タイトルは『暴力脱獄』だけど、こっちの方に『暴力脱獄』のタイトルを差し上げたいくらい。いかになんだって、味方に連絡して、武装ヘリで乗り込んでくるなんてクールじゃございません。シュワルツネッガーが重機関銃持って撃ちまくって、スタローンがガソリンタンクをドッカーンなんて、予想はつくけれど、そりゃないぜ。 殴り合いのシーンは痛そうだったけれど、マッチョジイさんふたりも痛々しい映画だった。まっ、それなりに頭使わずに楽しめたけど。 2月14日記 静かなお喋り 2月13日 静かなお喋り このコーナーの表紙に戻る |