風雲電影院

フェイシズ(Faces In The Crowd)

2012年6月5日
ヒューマントラストシネマ渋谷にて。

 女性を狙った連続通り魔殺人鬼に襲われたミラ・ジョヴォヴィッチが、逃れようとして頭を橋の欄干にぶつけ、脳に損傷を負い、相貌失認という病気になってしまう。

 相貌失認とは、顔だけが憶えられなくなるという症状で、自分の顔すら判らなくなる。
 そんな病気ってあるのかよ・・・とついついツッコミを入れそうになったが、あるんだろうなあ。この病気にかかってしまった人にとっては深刻な問題。

 なにしろ恋人の顔も見るたびに忘れていってしまう。女友達に「それでは、毎回違う男に抱かれるようなものだから、自由に浮気しているような気分じゃない」といった冗談を言われるが、それこそ当人には深刻な事態。

 そこで専門医に相談するのだが、この役が、おお、マリアンヌ・フェイスフルではないの! 青春時代に夢中になったあの『あの胸にもう一度』のマリアンヌ・フェイスフルだ。のちにミック・ジャガーとも浮名を流し、Broken Englishというこれまた私の好きなアルバムを発表した歌手でもある。

 でも・・・、さすがに年月は残酷だ。いま何歳だろうと調べてみたら1946年生まれだから、60代半ばか。それにしては、もっと上のように見えてしまう。うううっ。

 このマリアンヌ・フェイスフルに言われて、恋人のしているネクタイの柄で判断するなんていう涙ぐましい努力を強いられることになる。これがクライマックスの伏線にもなっているのだが。

 序盤、ミラ・ジョヴォヴィッチが襲われるシーンで、ひょっとしてこの犯人が、あの人物だったらつまんないだろうなあと思っていると、それは違った。・・・もっとつまらない人物だった。

 犯人の顔が判らないのだから、真犯人はミラ・ジョヴォヴィッチなんて放っておけばいいと思うのだが、一応、大事をとったのだろうか、また襲ってくる。まあ、そうでなければサスペンス映画にならないわけだが。

 相手を見ても、瞬きしただけでまた判らなくなるわけだから、クライマックスはそれなりに面白い。が、忘れてしまうのは相手の顔だけなんだから、声は判るだろうというツッコミは入れてしまいたくなる。どうもそこのツメが弱い気がする。

 ラストシーンがまたちょっと不満。「えっ? その場所なら相手は認識できるの?」と、これまたツッコミを入れたくなるのと、「そ、その子供は、いったい・・・。うーん」。しかもその子は認識できるんだ。ふーん。

6月6日記

静かなお喋り 6月5日

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