風雲電影院

ミクロの決死圏(Fantastic Voyage)

2014年2月24日
三日月座BaseKOMシネマ倶楽部

 1966年作品。これは、やはり二番館に落ちてから観に行った記憶がある。

 今から観ると、やけにチャチに感じる特撮だが、当時は目を見張ったことを憶えている。人間も潜水艇もミクロ化して体内に入れて、中から脳内出血の治療を行うというアイデアは凄い。これを映像化したんだから、たいしたもんだと思ったのだが、やはり当時の技術としては、これが限界たったんだなぁ。ほとんど『スタートレック』を、もう少し進化させた程度の特撮という印象しかない。どうやらリメイクの話題が出ているようだから、それができたら、さぞかし凄い映像になりそうだが。

 とにかくツッコミどころの多い映画で、医療現場の意見を参考にしたとは言っているが、どうなんだろう? 医学に詳しい人の話を聞いてみたいところ。もっとも、鼻で笑われそうだけど。まあ、ハードSFではなし、エンターテイメントとして楽しめばそれでいいのかもしれない。

 エンターテイメントとして観れば、ちゃんと悪者まで紛れ込んでいたりして、面白く見せようという工夫はしてある。ただ、もうレーザー銃が何者かによって壊されたという事件が起こった時点で犯人の見当がついてしまう。昔の映画だから、悪役俳優は決まっていて、「こいつだろう」と思っていると、そのとおり。今だったら、もう少し意外性を持たせるだろうに。

 ラクウェル・ウェルチという女優さんは、このあたりから有名になったのだと思うが、日本ではあんまり人気が出なかった人。すごくグラマーな女優さんで、身体だけ見ると、おそらく当時の女優さんとしてはナンバーワンだった。ただ、なんかそれだけの人って評価だった。そう、例えればバービー人形みたいで、可愛いんだけど、それはあくまで人形としての可愛さにしか見えなかった。今観ると、やたらセクシーに感じて、「いいなぁ」と思えるのだけど、あのころは、こちらがまだガキだったのかもしれない。グチャグチャの粘液みたいなものに包まれちゃっているのを、乗組員の男たちが必死で剥がすところなんてゾクゾクしてきちゃった。あっ、私も一緒に剥がしてあげたい〜。

 時計を見ていたら、体内に入っていくのは、映画が始まって40分たったところだった。ミクロ化は一時間しか持たないという設定で、この映画は上映時間1時間40分。つまり映画の時間でもジャストになっている。ちょっと強引だろうとは思えるけれどね。当時観たときは、このタイムリミットにもっとハラハラした記憶があるのだが、観直してみると、それほどでもない。リメイク版に期待。

 たくさん入れたいツッコミをすべて封印して、それでもあえて言いたいのは、当時も思ったのだけど、体内に残った潜水艇と悪人。あれが元の大きさに戻ってしまったら恐ろしてことになるよ。リメイクでは、それを含めて脚本家がどうするか。ちょっと見ものですな。

2月27日記

静かなお喋り 2月24日

静かなお喋り

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