風雲電影院

フローズン(Frozen)

2014年10月3日
DVD

 2010年作品。

 映画の内容を簡単に説明できる映画は面白いという説があるが、この映画の内容を説明するとしたら、「スキー場のリフトに乗った三人が、スキー場の係員の勘違いで電源を切られてしまい、取り残されてしまう」といったところだろうか。

 これはあの『オープンウォーター』のスキー版として話題になったらしい。確かに設定としてはよく似ている。しかしこれだけの話で本当に94分持つんだろうかと思ったのだが、その心配は杞憂だった。これはまさに94分間凍り付いた(笑)。

 ツッコミどころはたくさんある。三人乗りのリフトなのだが、なんで三人とも誰もケータイを持ってなかったの? あり得ないでしょ! とは誰でもが感じるところ。だったらケータイの無かった時代の話にすればいいのに、強引に現代にしてしまう。三人ともロッカーに置いてきてしまった。その一言で説明してしまい、強引に押し切る。そういう手があったのか(笑)。

 普通、スキー場の係員だって最後の点検をしてから帰るだろうに、それもしないって、ありえねぇだろと思うが、これもたいした説明も無く強引に、その状況にしてしまう。

 スキー場は金土日の三日間だけの営業で、事件が起こったのが日曜だから、次の金曜まで誰も来ない。そんなバカなと思うが、これも強引に、そういうことにしてしまう。

 スキー場の照明は消され、あたりは真っ暗。叫んでも誰もやって来ない。やがて吹雪が起こる。泣きっ面に蜂とはこのこと。時間が経つと露出した部分は凍傷を起こしだす。そのうちに狼がうろつき始める。

 可哀そうだと思うものの、この三人組の若者たちは、リフト係を丸めこみ、タダでリフトに乗ってしまったという設定が効いていて、自業自得というわけでもないにしろ、「あんたらただって、善良ないい人じゃなかったろ」と観る側に何となく、そうなったことの割り切りができるところが上手い。って、そんなことで済まされるわけじゃないけど。

 狼が、三人の内一人だけにはなぜか襲ってこなかったり、そんな寒さの中で眠ってしまったら死んじゃってるだろというツッコミもできるのだけど、まあこれだけ面白ければいいやと思えてくる。観て損はしなかったから。

10月18日記

静かなお喋り 10月17日

静かなお喋り

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