風雲電影院

ゴジラ(Godgilla)

2014年8月4日
109シネマズ木場・IMAXシアター3D

 2014年版。

 子供時代に観た『ゴジラ』『ゴジラの逆襲』は本当に怖くて、あんなのが現実に出てきたらどうしようと思っていたものだ。小学生のころの私たち男の子ときたら、東宝の怪獣映画を観に行くことを心から楽しみにしていたもので、みんな親にせがんで連れて行ってもらっていた。観に行かれないと、クラスの友達との話題に付いていけなかったほどだった。『モスラ』や『ラドン』なんてのも好きだったが、やっぱり何といってもゴジラだった。

 『ゴジラ』はゴジラ単体だったが、『ゴジラの逆襲』では早くもゴジラと闘う怪獣アンギラスが登場した。以降、ゴジラは人間との闘いではなく、別の怪獣と闘うというパターンが定着する。ハリウッド生まれのキングコングと闘わせてみたり、自社のモスラと闘わせてみたり。しかし、だんだん闘い方がプロレスみたいになってきて、私の心は怪獣映画自体から離れて行ってしまった。中学になってから以降は、同時上映していたクレージーや加山雄三の方に心が移って行った。怪獣映画がどんどん子供向けになっていっちゃったんですね。

 ハリウッド版『ゴジラ』も、1998年版に続いて2作目。今回も単体だと思っていたら、相手がいたのにびっくり。やはり2作目となると単体では話が同じようなものになってしまうんでしょうね。ムートーという2匹のオスとメス。このムートーのデザインも不気味だし、ゴジラとの闘いのシーンも面白いし、さすがハリウッド。破壊力も半端なくて、ほとんど廃墟と化すサンフランシスコなんて、もう、ぞっとしますな。ゴジラもとてつもなく怖い。

 ムートーの設定も良く出来ていて、この怪獣に福島の原発事故を絡めるあたりのアイデアはよくできている。ただ、アイデアはよかったんだけど、脚本はなんとも酷いもの。ゴジラとムートーだけでは映画にならないと思ったのか、人間ドラマを盛り込もうとして、見事に滑ってしまっている印象。

 気になるのが、本来なきゃいけないシーンが、ところどころ削られてしまっていること。モノレールに男の子だけ乗ってしまい両親とはぐれてしまうなんていうシーンも説明不足で、なんでそうなったのか、駅員たちはどうして気が付かないでモノレールが出てしまったのかよくわからない。両親の基へ戻った時もなんだか唐突。こういったシーンは随所にあって、書いているといくらでもあるのだが、どうしてもよくわからないのが、核弾頭を解除できないまま、主人公が船で沖に出て行ったシーン。あれって説明不足なんじゃないだろうか? 結局核弾頭は解除できたのかできなかったのか。そして、あれは爆発したのかしなかったのか。なんだかよくわからない。こっちの理解力が足りないのかもしれないのだが。

 津波はどうしても入れなくちゃならなかったのかな。日本人としてはちょっと面白がって観ていられなかったけど。

 まあ、いろいろ文句はあるのだけど、面白かったことは間違いないわけで、続編ができるなら、もうちょっと丁寧に作れる人に脚本や監督をお願いしたいな。

8月5日記

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