薄氷の殺人(白日焔火 Black Coal,Thin Ice) 2015年2月12日 新宿武蔵野館 グイ・ルンメイという女優さん、観たのは『密告・者』に続いて二回目だけど、きれいな人ですねぇ。いやもう、彼女をヒロインに使っただけで、この映画の勝負はついたって感じ。 五年前に起きた殺人事件は迷宮入り。その事件を捜査していたジャン(リャオ・ファン)は、このときのケガが元で退職して警備員をしている。そこに五年前の事件とよく似た事件が二件起こり、その被害者たちは、どちらも五年前の事件の被害者の未亡人と関係を持っていたことが判明。ジャンはこの未亡人が事件と関係していると思い、警察とは別に未亡人に接近していく。 話としてはありがちで、二時間サスペンスドラマでもありそうなストーリーなのだが、中国の地方都市が舞台で、その風景などが物珍しいのと、監督のディアオ・イーナンの撮り方が風変りなので飽きずに引っ張っていく。そしてやっぱり未亡人役のグイ・ルンメイだろうなぁ。いやさ、地方都市のクリーニング店にこんなきれいな未亡人がいれば、男はみんな寄って行くよ。クリーニング店の店主しかりだしさ。それに元刑事だって、この女の秘密を知ってしまったら、現在は刑事ではないんだから、真相を暴こうとするより、自分のものにしようと思っちゃうだろうね。またこの元刑事って、けっこうゲスい。前の奥さんと離婚しているのだけれど、プラットホームで嫌がる奥さんを押し倒しちゃうし、五年後の最初のシーンではトンネルで酔いつぶれてる。最後は未亡人に迫って関係を持ってしまうんだから、やはりゲスでしょ。まあ、グイ・ルンメイを目の前にしちゃ気持ちもわからないでもないのだけれど。 監督のディアオ・イーナンは北野武とも比較されるらしいのだけど、説明を省いた映像を入れてくるのが、あまりに意味不明すぎるところもあって、ちょっと取っ付きにくかった。ラストの踊るジャン元刑事とか、白昼の花火とか、ジャン元刑事の心情表現をしているのだろうけど、あまりにわけわかんない。 ともあれ、美しく生まれてしまったことは、そのこと自体が罪だってことなんでしょうかねぇ。公式ページの予告編の彼女の姿を何回も見直してしまったもの。ふぅ〜と溜息をついてしまった。 2月13日記 静かなお喋り 2月12日 静かなお喋り このコーナーの表紙に戻る |