ヒメアノ〜ル 2016年6月14日 TOHOシネマズ日本橋 勤め先の先輩に、ちょっと困ったちゃんの人がいて、それがムロツヨシ演じる安藤。私はNHKのコント番組『LIFE〜人生に捧げるコント』でのコメディアンぶりが好きなのだが、役者としてもいい芝居をする人だなぁと思っていた。最近でもテレビドラマ『重版出来!』の漫画家のチーフアシスタント役で、いい味を出していた。 その先輩安藤が、喫茶店で働いている女の子ユカ(佐津川愛美)を好きになり、なんとか仲を取り持ってくれないかと後輩の岡田(濱田岳)に持ちかける。その女の子ユカには、さらにストーカーの男が付きまとっていて、その男は、岡田の高校時代の級友森田(森田剛)だった。森田からユカを守るとユカに接近する安藤と岡田。これをキッカケに面倒な先輩とユカの間をなんとか取り持とうとする岡田なのだが、ユカから岡田が好きだと告白され、いつしか先輩そっちのけでふたりの関係は深まっていってしまう。 殺人鬼ものと聞いていたので、ありゃなんなんだこの展開は・・・と思ったのだが、これはこれで面白くて、ついつい夢中になって観ていると、瞬く間に映画が始まってから、上映時間が半分近くまで過ぎてしまっていて、そこで突然タイトルが現れた。そうか、そういえばこれ、まだタイトル出てなかったんだと気づかされるといった塩梅。そこから本筋に入っていくわけだが、いや〜、これはすさまじい映画だ。前半のテレビのぬる〜いラブコメみたいな話が、タイトル後にまったく別の話なんじゃないかという展開になる。 森田の狂った行動の裏に、ある過去のことが重く関係していて、それには岡田も絡んでいたという展開は考えさせられてしまう。これは別のアプローチの『キャリー』なんじゃないか。いや、『キャリー』よりもはるかに重いホラー。原作は古谷実のコミック。古谷実はスティーヴン・キングを超えた!? 6月15日記 静かなお喋り 6月14日 静かなお喋り このコーナーの表紙に戻る |