風雲電影院

ジュラシック・ワールド(Jurasic World)

2015年9月2日
109シネマズ木場

 IMAXシアター3D字幕版で観賞。

 こういう映画が公開されると、映画評論家先生なんていうのが余計なこと言いだす。「これは映画ではない。アトラクション・ムービーだ」って。そりゃそうだよ、怪獣映画、恐竜映画なんていうものは、子供たちにとって映画以前にアトラクションだったんだ。夏休みに公開されるゴジラ映画を楽しみにしていたのが普通の子供たち。ぼくらにとって怪獣映画は映画以前にアトラクションで゛あり、イベントたった。夏休みに海水浴に行ったり、花火をしたり、スイカやかき氷を食べるのが楽しみだったように、怪獣映画を観るということは、夏休み中の無くてはならないイベントだった。何かと難癖つけたがるエーガヒョーロン家の人って、そういった楽しい経験をしてこなかったか、子供のころのワクワクした気持ちを忘れちゃっている人なんでしょうね。

 そういった意味で、この映画は、ほぼ100点満点の恐竜映画なんじゃないかと思いましたね。私が今でも子供で親にせがんで連れて行ってもらうなら、絶対にIMAX3Dでの上映は譲れないところ。だってアトラクションなんだもの。その夏にしか体験できないイベントなんだもの。これはそういう環境で楽しむべきもの。これが何かの都合で親が連れて行ってくれたのが2D版だったらがっかりしていたろうなと思いますよ。

 映画が始まって、なかなか恐竜が姿を現さないという批評を目にしたが、怪獣映画って昔からそうなの。いつ出てくるんだろうとドキドキしている瞬間も楽しいんですよ。それにこの映画は比較的早く恐竜が出てきたと思うんだけどなぁ。巨大海中爬虫類モササウルスがジュラシックワールドのアトラクションとして登場するのは割と早い段階で見せてくれるし、ヴェラキラプトルが出てくるのも早い。この手の映画では一番早くから恐竜を登場させていると思う。

 ストーリーが決まりきったパターンだという批評も目にした。わかってないなぁ。そんなこと誰が望みますか? だってアトラクションなんだもの。思ってもみなかった複雑なストーリーになっていたら、みんな混乱しちゃうし、「なんだか、いまひとつ面白くなかったなぁ」と言われるに決まってるでしょ。おそらくこの映画のスタッフは、ストーリーが陳腐だとか言われることなんて百も承知で作っているはずだから。

 ツッコミどころがやたらとあるというのもこの映画の特徴。遺伝子操作で最強の恐竜インドミナスを作り上げるって、なんでそんなもの作る必要があったのとか(映画を面白くさせるためです))、いかになんでもインドミナスが高い塀を乗り越えて脱走したと思い込んでいたら、まだなかにいたとか、それが元でインドミナスが本当に脱走しちゃうとか、このインドミナスが物凄く頭が良くて体内に埋め込まれたGPSを取り出しちゃうとか、もうあり得ないことだらけなのだけれど、それをツッコミながら観るというのも、実は楽しいんですね。

 ツッコミどころといえば、ヒロイン、プライス・ダラス・ハワード扮するクレアだが、ハイヒールでジャンルの中でもコンクリートの上でも全力疾走というのが、主に女性たちの間から「ありえな〜い」と言われているようだが、これだってスタッフは百も承知でやらせていると思いますよ。「ハイヒール姿のヒロインが走り回ったら面白いだろうなぁ」とか言っていたに違いない。それに応えてプライス・ダラス・ハワードもハイヒールで走る練習を積んだってうんだから見上げたもの。ハリウッド映画では、パニック状況の中、ヒーローとヒロインがキスをするなんていうシーンがよくあるが、ここではそれを茶化してギャグにしている。翼竜プテラノドンの群れが逃げだして大パニックになっている最中、クレアがヒーローにキスをする。おいおい、そんなことやってる場合じゃないだろと思った次のシーン。子供たちが「しょーがねえなぁ」という顔をする。わかるわかる、わかるんですよ。

 このクレア、とにかく素っ頓狂なおバカキャラっぽいんですが、最後に見せ場が用意されている。あいかわらずのハイヒール姿で園内のアスファルトの床を駆け抜けると、あるゲートを開けるように指示を出し、発煙筒を手に仁王立ち。これがかっこいいんだなぁ。

 そして最後の隠し玉登場となるわけだけれど、これも「待ってました!」と声をかけたくなる。

 子供たちが観たいのは、恐竜と人間の闘いてはなく、恐竜と恐竜の闘いだということも、ちゃ〜んとわかっている、心憎い展開。いかに「ありがち」と言われようが、この映画のスタッフは、観客が観たいものを知っている。エイガヒョーロン家センセイが何を言おうが、これは弩級に面白いアトラクションムービーなのです。

9月3日記

静かなお喋り 9月2日

静かなお喋り

このコーナーの表紙に戻る

トップ アイコンふりだしに戻る
直線上に配置