風雲電影院

騎兵隊(The Horse soldiers)

2013年2月18日
三日月座BaseKOMシネマ倶楽部

 1959年作品。今回初めて観た。
 私の世代からすると、このころの、いわゆる正統派西部劇というのには縁がない。公開当時は幼稚園から小学校低学年。字幕の付いた洋画は連れて行ってもらえなかった。
 だから西部劇というと、マカロニウエスタン以降。これが出発点だから、私より世代が上の人から見ると、ちゃんとした西部劇を知らない世代には苛立ちを覚えるらしい。「インディアンが出てこない西部劇なんて、西部劇じゃない」とも言われたことがある。ところが私ときたらインディアンものはあまり好きではなかった。というより、制服ものというのが苦手だった。このタイトルのような騎兵隊なんかが出てくるやつ。

 『騎兵隊』はてっきり、騎兵隊とインディアンとの闘いの映画だと思い込んでいたが、これは西部劇というより戦争映画。南北戦争の話。ジョン・ウェイン率いる北軍の部隊が、南軍の補給基地を潰しに行く話。

 部隊にはウィリアム・ホールデンの医師も同行していて、ジョン・ウェインは何かとこの医師とぶつかる。なんだか基本的に医者嫌いなのだが、その理由というのは、あとになってからわかってくる。最終的に殴り合いがあり、そのあたりから和解しはじめるというあたりが、西部劇なんだろうなぁ。

 ジョン・ウェインというと、やっぱり私らの世代からすると、古いタイプのスターという感じがする。ジョン・ウェインをスクリーンで観たときにはもう年齢がかなり上になっていて、カッコイイと思えなくなっていた。なんだかデブのおっさんという感じで魅力を感じなかった。これは石原裕次郎にも言えることなんだと思う。ちょうど私が映画をたくさん観るようになったころに『グリーン・ベレー』なんていう、嫌な映画を撮っていたから、ますます好きになれないのだと思うが。

 実を言うと、私はこのころのアメリカの戦争映画というのもあまり好きになれなかった。『史上最大の作戦』なんていう映画は私たちの世代の子供たちでも、クラスで話題になり、親に連れて行ってもらった友達がいて、パンフレットを見せて貰ったりしていたが、中学に入ったときに観に行って、あまり面白いとは思わなかった。ちょっと風変わりな少年だったのかもしれない。

 『騎兵隊』も最初の、地平線を馬に乗った北軍が行進していくシーンが話題になるが、これもこれといって感動を覚えなかった。やはり私の感性の方がおかしいのだろうか?

 古き良き男の映画という感じがするが、ヒロイン役のコンスタンス・タワーズという女優さん、きれいな人だなぁ。インターネットで調べてみても、それほど多くの作品に出ているわけではないけれど。

 ジョン・ウェインの役柄は、元鉄道を施設する仕事に従事していたという設定。それが敵の補給基地の線路を破壊することになって、今までやってきた仕事を自分で破壊しなければならないという立場になってしまい、その心の葛藤は面白かった。

 それでもやっぱり私は西部劇というのはアウトローの世界の方が好きだな。制服ものは、う〜ん・・・ちょっと。

2月19日記

静かなお喋り 2月18日

静かなお喋り

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