風雲電影院

レニングラード・カウボーイズ、モーゼに会う(Leningrad Cowboys Meet Moses)

2015年8月14日
DVD

 『レニングラード・カウボーイズ・ゴー・アメリカ』(1989年)の五年後に作られた続編。評判があまりよくないので、観ないまま放っておいてしまった。それでもやはり気になってきて、棚から出してきた。

 前作はアメリカに行けば売れるだろうとシベリアを飛び出したレニングラード・カウボーイズの一行がアメリカを縦断してメキシコにまで行ってしまうロードムービー。今回は、メキシコで自堕落な生活をしている彼らのところへ、あの絶対的権力を持ったマネージャーが、故郷に帰ろうと命令を下す。かくして一行はメキシコ国境を強引に突破(メキシコとアメリカの国境って、あんなにチャチなんだろうか?)、今度はアメノカを北上する。

 アメリカ国内を演奏しながら移動するのでは前作と同じになってしまうと思ったのだろうか、今度はちっぽけな船でヨーロッパに渡る。このとき悪いマネージャーがニューヨークの自由の女神の鼻を取ってきてしまうということをしたものだから、CIAに追われることになる。このアイデアは悪くないのだが、そのあと、このせっかくのアイデアがあまり生かされたとは言えなくなってしまうのが惜しい。

 そしてヨーロッパ各地をバスで移動しながらのエピソードが描かれるのだが前作のようなユーモアがあまり感じられない。ギャグはいろいろ詰め込んであるのだが、前作ほどのひらめきがない。この手のギャグを前作で使い果たしてしまったかのよう。

 苦し紛れに考えたのか、メンバーのひとりが病気になってしまうという展開がさらに暗さを増してしまった。

 それでもレニングラード・カウボーイズの音楽は相変わらず楽しいので退屈しないで観ていられる。何といってもいいのは、劇中と最後のクレジットタイトルで流れる Nolo Tengo Dinares というメキシカンなナンバー。テキーラに溺れて、いまだにメキシコ人の恰好(それも弾薬ベルトを両肩にかけた革命軍スタイル)をした何人かのメンバーが歌うのだが、これが可笑しいし楽しい。

 それと酒場で歌うでたらめな歌 Kili Watch という曲。なんだかいつまでも耳についてしまう。

 また、なんといっても凄いのは、仲間の病院費を稼ごうと、雨の街角で歌うブルース I Woke Up This Morning Last Night って何? 目が覚めたのが今朝なのか昨日の夜なのかわかんない。アハハハハ。日本語字幕では Last Night の部分は無視しておりましたな。

8月15日記

静かなお喋り 8月14日

静かなお喋り

このコーナーの表紙に戻る

トップ アイコンふりだしに戻る
直線上に配置