スペースバンパイア(Lifeforce) 2013年4月15日 三日月座BaseKOMシネマ倶楽部 1985年作品。 当然観ているはずなのだが、ほとんど憶えていなかった。憶えていたのはマチルダ・メイの裸と、宇宙船のデザインくらい。 原作は読んでないけれどコリン・ウイルソンだからガチのSFだし、音楽なんてヘンリー・マンシーニを担ぎ出している。これがまたいんだなぁ。ワクワクするようなテーマ曲。もっとも内容とあまり合ってないような気がするのだけど。 なぜ観ているはずだと思うかといえば、そりやぁ監督がトビー・フーパーだから。1974年の『悪魔のいけにえ』でデビュー。これは凄かった。Texas Chainsaw Massacre ね。もう全篇女性の悲鳴とチェーンソーの音だけの映画。このあとの『悪魔の沼』(1977)もホラーの傑作で、次のスティーヴン・キング『呪われた町』を映画化した『死霊伝説 セーラムズ・ロット』(1979)ではケチをつけたけれど、『ファンハウス/惨劇の館』(1981)ときて、すっかりホラー映画の旗手という感じだった。それでスピルバーグに呼ばれて『ポルターガイスト』(1982)って、ここまでは良かったんだ。 それでこの『スペースバンパイア』になったわけだから、当時ホラー映画に夢中だった私が観ていないわけがない。それが、ほとんど記憶から飛んでいるのだから、「?」と思ったんだろう。その次の『悪魔のいけにえ2』(1986)が変な映画で、私が思うにこれはホラーとコメディを一緒にしようとして引き攣った笑いにしかならなかったという珍品。この映画のおかげで私はしばらく肉が食べられなかった。 そのさらにあとの『スペースインベーダー』も観ているはずなのだが、これもほとんど憶えていない。それを最後に私はトビー・フーパーを追いかけるのを止めてしまった。 この映画をヴァンパイアものに分類していいのかどうかわからないが、どうもこのころからヴァンパイアも狼男もゾンビも一緒くたになってきてしまったような気がする。なにせね、ヴァンパイアって弱すぎるもん。十字架はダメだわ、ニンニクは嫌いだわ、聖水に弱いだわ、心臓に杭を刺されると死ぬだわ、太陽光を浴びると溶けるだわ、もう弱点だらけ。ハマー・プロ時代はそこそこ面白がって観ていたけれど、時代に合わなくなってきたんだろう。宇宙人にしちまえってことだったのかも。 脚本に同じ年に『バタリアン』を撮ったダン・オバノンが参加してて、その影響もあったのかも。オバノンも『エイリアン』の脚本を書いていたり、この手の分野は得意なんだろうけど、なんだかそのあとがパッとしなかったなぁ。 それにしても、マチルダ・メイのヌードはきれいだ。当時20歳くらいだろう。この肉体を観るだけでも男は観る価値があるけど。アハハ。 4月16日記 静かなお喋り 4月15日 静かなお喋り このコーナーの表紙に戻る |