風雲電影院

ロックアウト(Lockout)

2012年12月11日
楽天地シネマ錦糸町

 リッュク・ベッソン印のアクションものだけあって、いちいちツッコまなければ、それなりに楽しめる。ただ、ホントにこれ、ツッコミ所満載でしょ。いちいち書いているとキリないのでやめるけど。

 まあ、真剣に観ているとあきれるだけだけど、主人公のお気楽な性格に付き合っていれば、もうなんでもアリに思えてくる。まず設定自体に無理がありすぎ。受刑者を人口冬眠させてしまう宇宙ステーションってなによ〜。なんの反省もなく刑期を終えると外に出てこられるって、意味ないじゃん。実際ここに出てくる受刑者のほとんどが極悪人。シャバに帰ったらまた悪いことするって。

 刑務所の警備、ずさん過ぎ〜。アメリカの大統領の娘が人質になっちゃうのだけど、大統領は何が何でも娘を救えってことしか言わない。まあ気持ちはわかるんだけど自分勝手なことしか考えてない。あんた一国の大統領なんでしょ。しかもそこになんで、主人公がひとりだけ送り込まれるのかも、よくわかんない。

 設定に無理がある上に、脚本がもういい加減。囚人たちも政府側も何考えてるのか、まったくと言っていいほどわかんない。

以下、結末部分に触れます。知りたくない人はご注意。

 なんだかんだあって、主人公のスノーと大統領の娘は宇宙ステーションから脱出する。どうやって脱出するかというと、宇宙服を着て宇宙に飛び出す。すると地球に向って真っ逆さま(?)。宇宙ステーションと地球ってどのくらい離れているのかしらないけど、大気圏も突破して地球の高速道路らしきところに落下する。もちろんふたりとも無傷! しかもいつの間にか宇宙服は落下の途中脱いだらしく着ていない。

 スノーが宇宙ステーションに行ったのは、大統領の娘救出以外に、収監されている仲間に会い、アタッシュケースの隠し場所を聞き出す目的があった。ところがこの仲間が冷凍睡眠の失敗から痴呆症になっている。それでも謎の言葉を残し、それが実はアタッシュケースの隠し場所なんだけど、脚本がもう少し丁寧に作っていれば、それを手掛かりにして探し出すという面白いシーンが撮れたはずなのに、もったいなくも、あっさりと見つけ出してしまう。惜しいなぁ。謎でもなんでもなかったのね。

 スノーの名前には秘密があるのだが、それが最後に明かされる。でもそれって、アメリカのある有名な俳優の本名を知っていないと、それほど面白くない。アメリカ人は喜ぶのかも知れないけどね。

12月12日記

静かなお喋り 12月11日

静かなお喋り

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