風雲電影院

ダーティハリー2(Magnunum Force)

2016年8月8日
三日月座BaseKOMシネマ倶楽部

 言わすと知れた『ダーティハリー』Dirty Harry (1971)の二年後に作られた続編。一作目に興奮した私は、これを観に行って、がっかりした記憶がある。以降、シリーズは5作目まで作られることになるが、3作目を見た時点で、もうどうでもよくなり、4作目、5作目は観ていないはず。

 ドン・シーゲル監督の一作目の面白さは、なんといってもアンディ・ロビンソン扮する狂った殺人鬼スコルピオ。ハリーとの死闘のすさまじさが頭にあったから、当然二作目は、スコルピオを超える悪役がでてくるんじゃないかという期待があったのだろう。しかし私が見せられたのは上映時間も2時間を超えるという、なんとも期待を裏切る出来のハリーものだった。

 聞いたところによると、一作目はテレンス・マリックがシノプシスをクリント・イーストウッドに送ってきて、それを基にドン・シーゲルでという目論見だったものが、シーゲルは、その中からスコルピオの部分だけを映画化したいと、脚本家に書かせたらしい。一作目の成功を受けて二作目も作ろうなったときに、おそらく残ったシノプシスでの映画をドン・シーゲルが嫌い、テッド・ポストに任せたのではないだろうか? それを脚本にしたのがジョン・ミリアス。そして初めて映画界に登場することとなるマイケル・チミノ。この映画を観た限りにおいては、マイケル・チミノらしさはほとんど出ていない。一作目ではハリーの暴走が一部世論の反感を買ったらしくて、今度はそれを埋め合わせるべくなのか、警察内部の暴走をハリーが追うという話になった。ところがこれまた脚本がタカ派のジョン・ミリアス。それがもう鼻について、うんざりしてくる。

 前半にハリーの見せ場が少ないのも致命的だが、後半ようやっとハリーが命を狙われるようになってからのアクションにも不満かある。クライマックスになる廃船の甲板を使ったオートバイ・アクションなんかも面白くできているのだが、でっかいリボルバー拳銃を使ったアクションが少ないのが物足りない。せっかくMagnom Force というタイトルにしたんだし、タイトル前のマグナムの大写しすら観客に向かって、ぶっ放すという、実にかっこいいオープニングが、これでは意味がない。

 ハリーが自室でアジア系女性と寝るシーンは、アジアの女性からたくさんのファンレターを貰ったイーストウッドからの要請で書き足されたという話も聞いた。これなんかも余分。カットすれば2時間超えになんかならなかった。どうしても出したかったら、もっと話にかかわってくるシナリオにすればいのに。これではアジア女性がバカにされただけのようなもの。

8月9日記

静かなお喋り 8月8日

静かなお喋り

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