風雲電影院
| ミッション・インポッシブル ローグ・ネイション（Mission:Impossible-Rogue
Nation） ２０１５年８月２０日 ＴＯＨＯシネマズ日本橋 ゲームセンターのアクションゲームや格闘ゲームをいくつか続けざまにプレイしているような映画。そのゲームとゲームの間を線で繋ぐシナリオ。こういうのもシナリオライターの腕にかかっているんだろうな。その意味含めて脚本はよく出来ていると思う。やや強引な展開も、とにかく見せ場を繋ぐというのが最優先とあらば仕方ないところ。よくできているのは前半がアトラクションムービーで引き付けておいて後半をじっくりかき込んでいる点。ただ、アトラクション部分が派手すぎて、後半やや地味になってしまうのが損しているような。演出も巧みで、謎の美女イルサ（レベッカ・ファーガソン）の使い方も上手いし、ちゃんと水着姿のサービス・ショットまで入れている。悪役の使い方も上手い。この憎々しげな敵のボス、いい芝居してる。 オープニングはイーサン（トム・クルーズ）が飛び立とうとしている輸送機に乗り込もうとするアクション。相棒のベンジー（サイモン・ペグ）が遠隔操作で輸送機のドアを開けようとするというのも無理矢理な気がするけれど、いいのいいのそんな細かいこと。ここでベンジーがドジを踏んでイーサンは死にそうな目に合うのだが、どうもそれでも怒ってないらしい。ひたすらクールなトム・クルーズ。アメリカ映画の主人公は感情をむき出しにする人物が多いが、こんなクールなヒーローは今までもなかったんじゃないか。強いて挙げれば『スーパーマン』かな。そうか、イーサンはスーパーマンなんだよね。 いきなり敵に捕らわれてしまって拷問を受けるイーサン。ここで縛られている状態からの脱出アクションゲームと、イルサも加わっての格闘ゲーム。わざわざトム・クルーズの上半身の服を脱がせているのは彼の筋肉を見せようという意図ありあり。このへんのサービスにもぬかりない。 オペラ座での格闘、およびシューティングゲーム。この場面でのサスペンスの見せ方は上手い。照明を吊ったケースの上での格闘なんていうのはよく考えたなぁと思うが、あんな狭くて高いところでの格闘なんて現実に無理でしょ。それといかに大音響でオペラを演っているからってライフルで撃ち合ったら観客にわからない訳がない。でもいいのいいの、そんな細かいこと。 今回の最大の見どころは、ここからの連続アクション。まずは侵入不可能な場所にベンジーを送り込むために、イーサンが水中に潜って警戒システムのカードキーをすり替えるアクションゲーム。三分間素潜りというけれど、どう考えたって三分以上潜ってた。思わずこっちも息止めちゃって、何で私まで息止めてんだ。よく考えると冷却システムだかなんだか知らないが小規模のダムみたいな設備を作る必要ってあるのかなぁという気がするのだけど、いいのいいのそんな細かいこと。 水中アクションで死にかけたイーサン、それを介抱するイルサ。そこへまんまとUSBメモリーを手に入れたベンジーが帰ってくる。すると一瞬の隙をついてイルサがそのUSBメモリーを横取りしてオートバイで逃げる。それを車で追うイーサンとベンジー。レーシングアクションゲーム。狭い街並みを抜けていくこのシーンは迫力がある。カーアクション好きの人には堪らないだろう。結果的に車は縦に数回転して仰向けになってしまうのだが、こりゃ普通、死ぬでしょ。どんなに強靭でかつ運が良かったとしても全身打撲で動けないはずなのだが、ピンピンしてる。いいのいいのそんな細かいことは。なにせイーサンはスーパーマンなんだから。 そこへイルサのオートバイがまた姿を見せる。ここからオートバイを使ったレーシングゲーム。やっぱりトム・クルーズはオートバイの方が似合っているよ。私はこのシーンが一番好き。いや〜、怖い怖い。一般道、とれも結構交通量の多いなかを、信じられにないようなスピードでかっ飛ばす。車と車の間をすり抜け、対向車線に出ても対向車を躱しながら突っ走る。それもカーブを猛スピードでレースなみのハングオンをしながらって、ありえねぇ〜。いいのいいのそんな細かいこと。 アトラクションとしての映画は、まあここまで。ここからは落ち着いて話が展開して行くから、まだまだアクションを観たいんだー！ という人はガッカリするかもしれない。割と痺れるのはナイフを使った格闘ゲームかな。ナイフが空を切るたびにハラハラドキドキ。ナイフをこれだけ振り回すのって、今まであまりなかった気がする。 しかし、イーサンって最後までクール。敵ボスを罠にかけて倒すところで少しだけ感情を見せたくらいかな。そしてとにかく仲間や女に優しい。あんな何回も、この人たちのせいで死にかけたのに。神様みたいなもの。う〜ん、サイエントロジーは恐ろしい。 ８月２１日記 静かなお喋り ８月２０日 静かなお喋り このコーナーの表紙に戻る |
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