コーヒーをめぐる冒険(Oh Boy) 2014年8月18日 早稲田松竹 『ネブラスカ ふたつの心をつなぐ旅』と二本立てで上映されていので観ることになったドイツ映画。両方とも最近では珍しくなったモノクロ映画なのでカップリング上映ということになったんだろうけど、私はこっちの方は正直いって、観ても観なくても、どうでもよかった。そして観終って、やっばり私にとってはどうでもいい映画だったなと思えてしまった。 邦題は原題とはかなり離れた題名だが、この題名を見たときにすぐに村上春樹の『羊をめぐる冒険』ほ思い出して、きっとこの邦題を付けた人は、村上春樹ファンの気を引きたかったのかな思った。実は私は村上春樹が苦手で、『羊をめぐる冒険』も読んだのだが、なんだかピンとこなかったこともあって、そのピンとこなさが、この映画とも共通しているところ。世の中には、こういう作品を好きな人も多いんだろうけど、私はダメ。私の方が珍しいタイプの人間なのかもしれない。 『コーヒーをめぐる冒険』というのは、ある青年の、朝から始まって、翌朝までの丸一日の生活を描いた作品。観終ってから、これがどうやらビートルズの『ア・デイ・イン・ザ・ライフ』からインスパイアされた映画だと知って、なるほどねと思った。Oh Boy って、I read the news today oh boy から来てるのね。飲酒運転の呼び出しうけてるのに遅刻しそうになったりっていう出だしも歌詞を反映しているみたいだし。 それでこの映画の邦題を『コーヒーをめぐる冒険』としたのは、朝、コーヒーを飲めなかったことが後を引いて、どこへ行ってもコーヒーを飲めないというのが続くのだけど、なんだかピンと来ない。バーのようなところに入ってコーヒーを注文しても、この時間はもうコーヒーはやってないと言われたり、自販機は故障していたり。コーヒーなんて、その気になればファーストフードの店でも売ってるだろうし、缶コーヒーでもあるんじゃないの? ドイツでもありそうなものだ。 この主人公の青年、親から仕送りしてもらっていながら、実は大学にはもう通って無くて、だからといって働くこともしないダメな奴なんだよね。それで、この青年の身の上に一日のうちにいろんなことが起こるのだけど、映画を観ている私には実にどうでもいいことばかりで、なぜか何にも感じてくるものが無い。ちっとも冒険でもなんでもないし。 結局、何が言いたかったのかなぁと感じたままで映画は終わってしまった。主人公は好きになれないし、出てくる人もみんな嫌な人物ばかり。まっ、私は退屈でしたね。 8月19日記 静かなお喋り 8月18日 静かなお喋り このコーナーの表紙に戻る |