アゲイン/明日への誓い(A Better Tomorrow V 英雄本色V夕陽之歌) 2016年3月7日 三日月座BaseKOMシネマ倶楽部 1989年の秋だった。香港に旅行に行ったとき、街でこの映画のポスターを見かけた。チョウ・ユンファが写っていて、タイトルが『英雄本色V』。ええーっ! 『男たちの挽歌』の3作目だって!? これは絶対に観て行かなきゃ! ところがよく見るとどこの映画館でも「不日上映」。つまり次回上映ということらしい。惜しいことをしたなぁ。もう一週間くらいあとだったら見られたのに! ところがあれは新聞を見たのだったか何だったのだかよく憶えていないのだが、先行レイトショウがあることを知ったのだった。飛行場で手に入れた観光パンフレットに出ていた日本語観光ガイドのオフィスに電話して、先行レイトショウの行われる映画館の場所を教えてもらい、その夜、私は観に行ったのだった。 ポスターを見てびっくりしたのは時任三郎が出ていることもさることながら、監督がジョン・ウーから、それまで製作総指揮に回っていたツイ・ハークに移っていたこと。何があったんだ? いやいや、それよりも何よりも今更なんで『男たちの挽歌』の続編なんだ? 映画館は九龍地区の観光客はほとんど行くことはないような北の方にあった。香港映画を現地で観たことかある人にはお馴染み、画面の下に中国語字幕と英語字幕が出て、それを見て理解しようと追っかけながら画面を観ていたのだから忙しかった。 『男たちの挽歌』一作目でチョウ・ユンファ演じるマークは死んでしまって、二作目が公開されたときはどうするのかと思ったらマークの双子の弟が登場するという、やや苦しい展開だった。今度はどうするんだと思ったら、一作目より前の設定。映画がヒットして続編を作ろうとするときの、よくあるパターンね。 正直言うと、やはり日本語字幕ではなかったこともあって、ストーリーは、だいたいこんな感じだろうくらいしかわからなかった。日本での公開はその丸一年後。そのときも観に行った。ようやく細かいところが理解できたが、まあだいたい香港で観た時に理解していたものと大きな違いはなかった。そして今回、25年ぶりくらいに観たわけだが、けっこうストーリーはベタで雑だなぁという印象。日活や東映の映画を観ているような感じ。 1974年のベトナムを舞台にしていて、ベトナムから逃れて香港に脱出する様が描かれるが、ツイ・ハークも1966年まで少年時代をベトナムで凄し、家族が香港へ移住した経験がある。これは『男たちの挽歌』を借りて、そのときの経験を織り込んで、映画を作りたかったのかもしれない。 3月8日記 静かなお喋り 3月7日 静かなお喋り このコーナーの表紙に戻る |