パッション(Passion) 2013年10月6日 みゆき座 ブライアン・デ・パルマ監督、久々のサスペンス映画ということで期待して観に行ったのだが・・・なんじゃこりゃという感じ。『愛のメモリー』『キャリー』『殺しのドレス』『ミッドナイト・クロス』『ボディ・ダブル』の、あのパルマはもう老いてしまったのか。 舞台はベルリンなのだが、どうもベルリンらしさが感じられない。ベルリン在住のベルリンさんに確かめたくなるくらい。別にベルリンにする必要性もないような気がするし。 ブライアン・デ・パルマって、昔は女優さんをきれいに撮る人って印象があって、『殺しのドレス』『ミッドナイトクロス』のナンシー・アレンとか、『ボディ・ダブル』のメラニー・グリフィスとか、もう観ているだけでうっとりとするような撮り方で、それが楽しみだったというのに、『パッション』は何? 三人も主役級の女優さん使って、レイチェル・マクアダムスもノオミ・ラパスもカロリーネ・ヘルフルトも、全然きれいに撮れてない。どうしちっゃたの? 女に興味が無くなったのか? そんなわけだから、女の嫌な部分だけばかりが強調された映画になっている。まあ、それが目的なんだろうから、その点は成功しているのだろうけど。 それでもパルマらしさが感じられるシーンはある。バレエのシーンと犯行のシーンをスクリーン二分割にして見せるとかはあるのだけど、往年のようなゾクゾク感が無い。やはり老いたか、パルマよ。 ラストだって、ありがちだし、前にもパルマ自身やってるし、そんなに驚きもないし。 ヒッチコックだって、70歳代になってからは往年のサスペンスのキレが無くなってきていたし、やっぱりサスペンス映画って60歳代までに撮らなくちゃダメなのかなぁ。 10月8日記 静かなお喋り 10月6日 静かなお喋り このコーナーの表紙に戻る |