ルーシー(Lucy) 2014年9月4日 TOHOシネマズ日本橋 最近は映画を観に行くときには、ほとんど予備知識無しで行くようにしているから、これなどはスチール写真とリュック・ベッソン監督っていうことで、きっと『レオン』みたいな映画に違いないと思っていた。『レオン』のあの少女が大きくなって凄腕の殺し屋になる話なんじゃないか。そんな風に思ってた。 で、冒頭のシーンはいきなりルーシー(スカーレット・ヨハンソン)が台北のビルの前で男と揉めているところから。ありゃ、ちっとも凄腕の殺し屋っぽくない。男が実にいかがわしさ全開で、このビルの会社に書類を届けてくれと鞄を渡す。絶対に嫌だと意思を示すのだけど、手錠で手と鞄を繋がれてしまって、さあ行ってきてくれ、500ドルあげるから、って、それは相当にヤバいでしょ。 受付で来意を告げると、出てきたのは全員黒スーツ姿の怖い顔をした韓国人の男数人。あきらかに韓国人マフィア。そいつらにルーシーは拉致されるように連れて行かれる。 韓国人マフイアのボスがチェ・ミンシク。ボス始め全員が英語を話せない。って、このあと話が世界レベルまで広がるのに、それはないんじゃないのと後から思うのだけど、この英語が通じないというのが不気味。 で、カバンの中からは袋に入ったブルーの粒状の固形物が出てくる。これをルーシー含めて4人の人間の体内に埋め込んで、ヨーロッパの各都市に運ばせることになる。おいおい、そんな大きな包みをどうやって体内に入れるんだと思い始めたあたりから、この映画、「なんだこりゃ」になっていく。 で、このブルーの粒状のものは人間の脳を覚醒させる物質だということがわかってくる。おかしいと思って、ルーシーは病院で体内から摘出してもらうものの、中のものが体内に零れ落ちてしまっていて、脳がどんどん覚醒して行く。つまりルーシー・イン・ザ・スカイ・ウィズ・ダイヤモンドになってしまうというわけね。 それからあとはもう、荒唐無稽みたいなことになってきて、脳が覚醒して行くに伴ってスーパー・ウーマンになってしまって、襲ってくる敵なんて念じるだけで倒せるようになってしまう。うへー。ありえねぇー! でも、この映画がどんどん好きになっていく自分がある。 いやー、はっきり言ってこれ、小説で読んでいたら、バカバカしくて途中で放り出したかもしれない。それくらいムチャクチャ。 韓国人マフィアが追っかけて来るんなら、前半はソウルにすればよさそうなのに、なぜか台北。なにか事情があったのかな。いやいや、それにしても韓国人は怖すぎ。韓国映画のガツンとくる雰囲気をそのまま持ち込んでる。 90分切る短い映画なのに、満足度は高い。そういえばベッソン印の映画って、みんな短めで、それでいてキッチリ楽しませてくれる。商売人なんだよね。 まあ、呆れ返った映画だけど、「もう一度観る?」と訊かれたら、「喜んで観る」と答えるでしょうね。ウハハハハ。 9月5日記 静かなお喋り 9月4日 静かなお喋り このコーナーの表紙に戻る |