風雲電影院

砂漠でサーモンフィッシング(Salmon Fishing In The Yemen)

2012年12月9日
丸の内ピカデリー2

 釣りというものに興味が無い。おそらく好きな人にはたまらなく面白い趣味なんだろうが、何回か誘われてやってみたが好きになれなかった。

 だから、おそらく釣り好きの人が見たらたまらなく楽しい映画なのかもしれない。しかし私にとっては、「なにこれ?」という感想しか生まれてこなかった。

 それにしても人間と言うのは、誰もかれも自分勝手な生き物としか思えない。そんな気持ちにさせられる映画だ。

 そもそも、鮭の気持ちになって考えたことがあるのか!? ハマカーンみたいになってしまうが、産卵のために川を上って行く、あるいは産卵を終えて疲れ切って帰ってくる鮭を! ハエに見せかけた疑似餌で騙くらかし! 鋭い針で口に引っ掛け! 平和な水の中から、魚類は生きてはいけない空中に引き上げ! 逃げられないように網で捕獲し! 息絶えるまで放置する! これぞ下衆の極み! まさに鬼畜の所業!

 別にそこまで書かなくてもいいが、鮭にとっては迷惑な話の映画なのである。

以下、ネタバレします。読みたくない方はご注意を。

 イエメンの釣り好きの大富豪が国で釣りがしたいから一万尾の鮭をくれとイギリスに要求してくる。このこと自体があきれ返るが、その裏では砂漠にダムを作り、緑の大地を作り上げようという構想がある。それはいいとして、ふと疑問に思うのは、ダムって鮭の遡上を妨害するとして問題になっているんじゃなかったっけ?

 イギリス側では、とんでもないと思いながらも中東との関係をよくしようと政府の鶴の一声で、このプロジェクトが動き出してしまう。これも勝手な話。

 これに対して、イギリスの釣り人からは一斉に反対の声が上がる。当然のことだろうけど、これも勝手な話。自分たちが釣る鮭が減ってしまうってことでしょ。

 困った政府は養殖の鮭に目を付け、これを送ることにする。ところがイエメンの富豪は激怒。養殖の鮭じゃあ、自然界では生きていけないし、第一、産卵のために川を遡上することもしないんじゃないかというわけである。これも勝手な話だよなぁ。相手の国のことも、相手の善意も考えずに、怒り出したりするかよなぁ。

 それでも、イギリスの学者から養殖の鮭でも、本能で川を遡上するはずだという意見を聞いて、これを受け入れる。もっともイギリスの学者も言ってはみたものの、半信半疑。これも勝手な考え。

 いよいよ放流。なにせ砂漠地帯に無理矢理川を作ったものだから、水が濁っている。なんだか鮭がかわいそう。

 さっそく富豪は釣りを始める。イギリス政府の代表もやってきていて、マスコミを集め、その様子を写真に撮らせる。やだねえ。しかもこのプロジェクトの代表、タバコ吸いながら指示を出している。おいおい、きれいな川を汚すなよ。もっとも濁っててちっともきれいじゃないけど。

 そこへテロリストがダムの水をいきなり大放水してしまう。ドッカーンと押し寄せる大量の水流。セレモニーで釣りをしていた人たちは死にかける。でも全員無事。それはいいけれど、ほとんどの鮭はこれが原因で陸に打ち上げられ死んでしまう。死屍累々。なんてかわいそうなんだ! もう! 鮭を放流する前に、テロリストをなんとかしろよ! 自分勝手なんだから! テロリストもテロリストだ! 人間殺すならまだしも鮭を殺すなよ! 人にあらず! またハマカーンになっちゃったよ。

 これに物語として、イギリスの水産学者(ユアン・マクレガー)とコンサルタント(エメリー・ブラント)とそのカレシである軍人(トム・マイソン)の三角関係の話が進行していく。もう、どうでもいいじゃん、そんなこと。問題は鮭たちの運命でしょ。こいつらも三人とも自分のことしか考えてないんだよ。

 とかなんとか書いておいてナンだけど、私、鮭食べるの好き。しゃけの塩焼き、刺身、ソテー、お茶漬け、スモーク、おにぎり、フライ、西京焼き、鮭いくら丼・・・。結局私も自分のことしか考えないんだけどね。エヘヘ。

12月10日記

静かなお喋り 12月9日

静かなお喋り

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