コンフィデンスマン/ある詐欺師の男(Samaritan) 2013年11月16日 WOWOW放映録画 HDDレコーダーに録画したWOWOWの映画を何か観ようと思って、『スパニッシュ・プリズナー』を観たあとだったし、サブタイトルから詐欺師ものらしいので観た映画。主演はサミュエル・L・ジャクソン。 殺人罪で25年の懲役刑から出てきた詐欺師フォリーが、真人間になろうとする。サミュエル・L・ジャクソンといったら、もう60代だ。等身大の人間を演じているとすれば、60過ぎて刑務所出て選べる仕事なんてたかが知れている。工事現場の作業員くらいしかないわけだ。そこへイーサンという男が現れる。イーサンはフォリーが止むおえず殺した昔の詐欺師仲間の息子。イーサンは詐欺の話を持ち掛けてくる。当然フォリーは断るが、ある仕組まれた罠にかかって協力せざるを得なくなる。 もうこの時点でフォリーって男はダメでしょ。元詐欺師がまんまと引っかかってしまうんだから。しかも、その手口というのが、「そりゃないぜ」という話。これから観る人のためにも詳しくは書かないが、いかに25年も檻の中だったとしても、まったく知らなかったで済む話じゃない。 実際に詐欺のプロジェクトが動き出すのに映画の三分の一くらいは過ぎてしまう。その間、詐欺の腕前を見せるようなシーンはひとつも出てこない。フォリーはおろかイーサンもこれじゃあ詐欺に関してド素人なんじゃないかと思えてくる。詐欺師もののお決まりとして、その鮮やかな手口を序盤で見せておかなけりゃ、観ている人間は納得しないでしょ。 それでいよいよ決行。その手口たるや、スマホを使った口座詐欺。あのさ、25年も刑務所にいたわけでしょ。携帯電話が出てきたのは、この20年ほど。フォリーは当然スマホなんて触った事もなかったはず。それが実に手際よく操作してみせる。あれあれ。 まあ、それはいいとして、観ている側としては、フォリーが『スティング』ばかりの離れ業の手口で、この状況を切り抜ける展開を期待するわけなのだけど、何も打つ手なし。最後はお涙頂戴って、なにこれ? これこそ、「詐欺だー!」 11月17日記 静かなお喋り 11月16日 静かなお喋り このコーナーの表紙に戻る |