風雲電影院

猿の惑星(Planet of the Apes)

2014年2月17日
三日月座BaseKOMシネマ倶楽部

 リメイクではなく、1968年版。当時、ロードショウではなく、二番館落ちで観たんだと思う。それ以来の観賞。だから45年ぶりくらいになるのか。

 とにかくラストのオチが有名で、観ていない人でも知っていたりする。当時、私は確かオチを知らない状態で観たような気がする。今みたいに、『大脱出』のキモになるアイデアを公開前に割ってしまうなんていう信じられないような宣伝はしなかった時代だ。やはりあのラストシーンの幕切れは見事だった。長ったらしいクレジットが延々流れることもなかったし。今は、アメリカ製テレビドラマの方が幕切れが鮮やかだったりする。金払っていつまでもクレジットだけ見せられちゃあ堪んない。

 意外だったのは、猿が出てくるまでに35分かかったこと。あの前の部分って、そんなに長かったんだ。見知らぬ惑星の湖に着水して、浸水が始まると、外の空気が人間が宇宙服も着ないで大丈夫かどうかチェックするやりとりがいい加減で、こんなんでいいのかと思うが、浸水が始まって沈没しかねないとなったら、そうもいってられないのだろうけど、今の映画だったら、もっと専門用語を使って確認しないと受け入れてもらえないだろう。

 私は基本的に猿に対する恐怖心があって、嫌い。もっとも、小さい頃は動物園で一番好きだったのが猿山なんだけど、猿に対する恐怖心が始まったのは、家族旅行で九州へ行って、別府の高崎山の猿を見たときから。動物とのふれあいなんて大っきらいだ。猫を除いてだけどね。危険だから猿の顔を見つめちゃだめだとか、ポケットに手を突っ込んでいると襲われますなんて、いったい何が楽しいの? だから『猿の惑星』は怖かった。今観ると、どうってことないのだが。

 進化した猿の社会にも宗教が存在したっていうのは皮肉。まあ、それは人類の犯した過ちを封じ込める意味合いもあったのだけど。それでも宗教というものが、いかに自由を奪うものなのかという皮肉にはなっている。

 チャールトン・ヘストンといえば、それまでは『十戒』とか『ベン・ハー』とか大作映画の俳優というイメージがあったから、この『猿の惑星』出演は驚いた。よくこんな映画に出たなぁと思ったものだった。よっぽどギャラがよかったからか? ロディ・マクドウォールもキム・ハンターも猿の役。よく承知したと思うが、これもギャラかなぁ。この三人にギャラを使ってしまって、ヒロイン役にはリンダ・ハリソン。ほとんど無名。台詞はひと言も無いけれど、印象的な女優さんだった。コスチュームもセクシーだったし。この時点でチャールトン・ヘストンは40代半ばのオッサン。それがこんな若くてカワイイ子に惚れられるんだから、うらやましいって思ったっけ。

2月18日記

静かなお喋り 2月17日

静かなお喋り

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