Seventh Code 2015年5月22日 新文芸坐 黒沢清脚本監督、前田敦子主演の60分程度の中編映画。いや、これを映画と言ってしまっていいのだろうか? 意外な展開、意外な結末が売りの映画で、ネタバレを書いてしまっていいのだろうかと迷うところ。でも何の知識も無く観た私にとっては、実はこれ前田敦子の『セブンスコード』という曲の長〜いプロモーションビデオだという結末が一番意外だったところで、映画じゃないとすれば何やったっていいわけだというルールに合わせれば、ネタバレでもいいやという、いささか乱暴な考えになってしまったり。肝心なところは書かないことにしますが。 作品は全編ロシアロケ。前田敦子扮する高山秋子がロシアにやってきます。彼女の目的は松永という男を捜すため。松永とは日本で偶然に出逢って一度だけ一緒に食事をしたというだけの仲。その松永が忘れられずにロシアまで追いかけてきたのだろうが、たったそれだけのことで女の子がロシアまで来るだろうかという疑問が浮かびます。しかもどうやら松永はロシアンマフィアと繋がりがあるらしいヤバイ人物。松永がロシアンマフィアと何やら取引している現場に紛れ込んだ秋子はロシアンマフィアに掴まり、袋に詰められ空地に放り出されてしまいます。 よく殺されなかったなと思うのですが、脱出した秋子はホテルに戻り、また街に出ます。腹が減っているので、どうやら日本人が経営しているらしい小さなレストランに入ります。腹いっぱい食べた彼女は、小銭しか持っておらず無銭飲食状態。この店で働かせてくれと頼みます。 この店の主人斉藤(山本浩二)は日本人で一億円貯めるのが夢なんだそうですが、こんなところで流行らないレストランやってても一億円稼ぐのはたいへんだろうなあと思うのですが、それが映画。いや、実はプロモーションビデオなので何をやってもいいのですね。ここで働いている中国人の女性シャオイェン(アイシー)というのもわけわかんない存在で、斉藤のことが好きで一緒に働いているのかと思ったら、「そろそろ潮時だ」とロシアの次なる大地に向って旅立ってしまう。なんなの、これ? と思うけれど、これも映画・・・じゃなかったブロモーションビデオなんだから何やってもいいわけね。 そうこうするうちに、斉藤は人生の一発逆転をかけてロシアンマフィアから金をせしめようと思ったのか、アジトに乗り込んで行って、あっさりと殺されちゃう。なにこれ? これも映画、じゃなかったプロモ・・・もういいか。 問題はこのあと。いや〜、まさに大逆転がある。もう、「あっ!」という急展開。それと同時に今まで観てきて不自然だと思えるようなことが、すべて納得のいく展開になってしまうんですね。 もう、あまりの展開に驚いてしまって、前田敦子はカッコいいし、これがやりたかったのだとしたら凄いわと思っているところで、エレキギターぶらさげた前田敦子(弾かないけどね)が『セブンスコード』という曲を歌いだすところで、「ああ、これプロモーションビデオだったんだ」と気付かされるといったあんばい。 それでこれで終わりかと思ったら、最後にオチ(?)まで付けてる。これ、本当に必要だったのかなぁ。まあ、いいか。映画・・・じゃなくてブロモー・・・ 5月23日記 静かなお喋り 5月22日 静かなお喋り このコーナーの表紙に戻る |