サイレント・ウォー(The Silent War 聽風者) 2014年4月29日 シネマート六本木 冒頭はジョウ・シュン演じる女スパイが任務を成し遂げる、いわばイントロ部分。相手の口を片手で塞ぎ、グサリとやる。このシーンがとてもインパクトがあるのだが、これもいわば伏線。終盤に来て、これが効いてくるのだから、けっこう手が込んでいる。 舞台は1949年。台湾に逃れた国民党の残党と共産党の内戦の中で、共産党の情報部は、相手側の無線を傍受して情報を得ていた。ところがある日すべての周波数を変えられてしまい、まったく情報が得られなくなってしまう。ジョウ・シュンに与えられた次の任務は、絶対音感を持つ調律師を連れてくること。その人物に周波数を特定させようというわけだ。ところが、相手のところへ行ってみれば、この人物はトラブルに巻き込まれていて連れてこられない。そこて白羽の矢が当たるのが、この調律師の助手、音に対して天才的な耳を持ってる盲目の男。これがトニー・レオン。 あの超二枚目のトニー・レオンが刈上げのヘアスタイルにサングラス。ちょっと最初彼だと気が付かなかった。でもトニー・レオンもついに50代。年取ったなぁとも思うけれど、やはり二枚目。得だよなぁ。 それで情報室に連れてこられてモールス信号を、あっという間にマスター。瞬く間にすべての周波数を割り出すことに成功してしまう。そのお礼もあって角膜を移植してもらえて、目も見えるようになる。 一方、ジョウ・シュンは、国民党の残党の大ボスを特定する任務を受けて、潜入捜査に当たるのだが・・・。 よくできたストーリー。そして悲しい結末。こういうのやらせると香港映画はさすがだね。アラン・マック、いい仕事をしている。 ただ、テーマがテーマだけに香港映画が中国大陸の思考に飲み込まれてい来ているのを感じるのが、ちょっとなぁ。広東語での公開だし、それほど中国の息はかかってないとは思うのだけど、なーんか心配。香港映画は中国から離れたところで作り続けていて欲しいんだよね。 4月30日記 静かなお喋り 4月29日 静かなお喋り このコーナーの表紙に戻る |