風雲電影院

スラップ・ショット(Slap Shot)

2013年10月21日
三日月座BaseKOMシネマ倶楽部

 1977年作品。

 これは公開当時に観たはずだとは思ったのだが、内容をまったく思いだせないでいた。それで、観始めたら徐々に思いだした。ストーリーも記憶の底から発掘するように思いだして、そうだそうだ、最後の女性オーナーとのやりとりで、話が逆転していってしまうところとか、模型オタク三兄弟とか、バスでの尻出しとか、次々に思い出していった。

 それでも今まで忘れていたのは、おそらくこれがアイス・ホッケーという、あまり日本ではメジャーでないスポーツのせいだったからなのだと思う。ルールはよくわからないし。でもこれ、ルールも何もないでしょ。これじゃあ、アイス・ホッケーという名を借りた乱闘ゲームだもの。
 アイス・ホッケーがかなりラフなスポーツだということは知っていたが、まさかいくらなんでも、こんなにメチャクチャなわけがない。それともアメリカやカナダのリーグって、本当にこんなことやってるの? これだともうプロレスなんてものじゃない。目的が別物になっちゃう。審判も止めないなんてことがありうるの? これだと、審判の権利なんてプロレス以下だもの。普通のスポーツだったら、没収試合でしょ。最後のフルモンティ騒ぎだって、あれじゃあ侮辱ものだもん。その本人に審判が優勝カップ渡しちゃうなんて、もうプロレスでだってありえない。

 それにしてもアメノカ人って、こういうの好きだねぇ。ラフプレーで有名になったチームが快進撃を始めるとファンが増えて、グルーピーがバスを仕立てて付いてくる。優勝がかかった試合くらい、ラフプレーなしで真面目に闘おうとすれば大ブーイング。
 おそらく、アメリカの連中っていうのは、でかい身体の奴らがぶつかり合うスポーツが好きなのかもしれない。だからサッカーよりもアメフトみたいな方に流れてしまう。

 この映画、ゲームの展開そのものを描くことを放棄してしまっていて、ほとんどラフプレーのシーンと、乱闘のシーンしかないという、呆れ返った映画だが、こちらはアイス・ホッケーのルールなんてよく知らないし、なまじその辺をキッチリ描いてもらっても、解り難くなっただけかも。

 ポール・ニューマンが50代に入ってから出た映画。コーチ兼任選手という役。実際のアイス・ホッケーの選手の、現役年齢は知らないが、観ていてそれほど不自然に感じさせないのはさすが。

10月22日記

静かなお喋り 10月21日

静かなお喋り

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