風雲電影院

ゲットバック(Stolen)

2012年11月17日
新宿ミラノ3

 観に来るお客さんが憶えやすい日本語タイトルをつけようとしたんだろうということはわかるが、『ゲットバック』ねえ。そりゃあ、日本でもビートルズに『ゲットバック』という有名な曲があるんだから、憶えやすいだろうが、原題がStolenなんだから。英語をそのまま日本語タイトルにするのも場合によっては仕方ないとは思うが、原題と違う英語を日本語タイトルにするというのは、どうも抵抗感がある。混乱するだけなんじゃないの?

 ニコラス・ケイジ主演のアクションもの。ニコラス・ケイジって、けっこう私の好きな映画に出てはいるのだけど、どうもイマイチ好きになれないのは、やっぱりあの顔だろうなあ。なんだかいつも重ったるい表情を浮かべている。面白い映画のときはあまり気にならないのだが、つまらない映画だと、ニコラス・ケイジの顔を見ているだけで、うんざりしてきてしまう。

 今回のニコラス・ケイジは強盗役。強盗に失敗して、一人だけムショ送り。仲間はみんな逃げてしまうわけだが、ムショから出てきたら、あのときの仲間のひとりが、盗んだ金の分け前を寄越せと言ってくる。ケイジが金は捕まる前に燃やしたと言っても信用しない。ついにはケイジの一人娘を誘拐して、金を要求してくる。ケイジはまた警察に追われながらも娘を救うために、さらなる強盗までしなければならないはめになる。って、忙しい話だよなぁ。

 しかも、娘はケイジを嫌っている。そりゃそうでしょ。自分の父親は前科者なんだもの。

 困った立場に立たされるニコラス・ケイジの主人公なのだが、あまり同情心が湧いてこない。なんだか自業自得でしょという気持ちと、例によってあの重ったるい顔。感情移入できないのだよ。それで再び強盗やったり・・・金塊を溶かしちゃったりして、ひどいこともするのだ。街中ではクルマは壊すし、とばっちり受けた市民はどうするの?

 美人の強盗仲間と仲良くなっちゃったり・・・。まあ、映画だからいいのだけど。

 唯一彼にシンパシーを感じるなら、彼が古いロックが大好きだという設定。冒頭の強盗シーンで、強盗に入る前にクルマの中でロックを聴いている。どうやらクリーデンス・クリアウォーター・リバイバルらしい。「7分くらいの曲、最後まで聴かせろよ」なんて台詞がある。CCRで長い曲っていうとと、よく耳をすませれば、ハーモニカのソロが聞こえる。ははあ、これはKeep On Chooglin'だな。

 正直に言うと、私はCCRってあまり熱心に聴いてなかった。聴くようになったのは、ここ十年くらい前から。レコードを買ったこともなかったし、後にベスト盤のCDは買って、短めのシングル向きのバンドくらいの認識しかなかったのが、ライヴがけっこう良くて、Ramble Tambleとか、このKeep On Chooglin'のような長めの曲もあって、最近はよく聴くようになっていたところ。

 というわけで、映画としては「うーん」というところだが、帰宅してからまたCCRを聴いてご機嫌になった私なのだった。

11月21日記

静かなお喋り 11月17日

静かなお喋り

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