私がウォシャウスキー(V.I.Warshawski) 2013年8月5日 三日月座BaseKOMシネマ倶楽部 1991年作品。確かに以前、映画館で観たとは思うのだが、ほとんど憶えていなかった。なんとなく記憶があるのは運河でのモーターボート・チェイス・シーンくらいのもの。話自体がそれほど面白いというものでもないから、それで忘れてしまったのかもしれない。 それとキャスリーン・ターナーだろうなぁ。この映画を撮ったときはもう30代半ば。アラサーも卒業していたとはいえ、あの『白いドレスの女』の、あの『ロマンシング・ストーン 秘宝の谷』の、あの魅力的なキャスリーン・ターナーが、ちょっと太り始めたアラフォー間近の役で出てきたところで引いてしまったのかもしれない。 実際、オープニングでランニング・ウェア姿になったキャスリーン・ターナーがヘルスメーターに乗り、毒づいて、そのまま川沿いを走り出すシーンがある。おそらくそのあたりの自虐シーンにも幻滅してしまった一因なのだろうけど、今から観直してみると、男のダメ探偵を女性に変えただけの話で、アメリカのしょぼくれ探偵もののパターンをそのまま踏襲している。このダメさ加減、しょぼくれ加減に乗れれば、この映画は面白い。 この女探偵さん、合気道の名人という設定になっているが、惜しいことにキャスリーン・ターナーにはもう、それだけのアクションが出来るキレがなくなっているのも、ザンネン要因。またハイヒールが大好きという設定も、あの身体ではもうザンネンとしか言いようがない。 キャスリーン・ターナーの入浴シーンというのが、また痛い。熟女好きにはともかく、泡立った風呂にすっぽり入り込んでいて、これがまたあんまり色気を感じないのだ。映画の中でも無遠慮に男たちがずけずけと入って来る。もう若く無くなって男たちからもバカにされはじめているというギャグかと思わされる。 舞台がシカゴというのがいい。ニューヨークでもロスでもワシントンでもなくシカゴ。このどことないうらぶれ加減の都市が、またしっくりくる。私の好みからいったら、せっかくシカゴを舞台にしたら、音楽にブルースを何曲か入れて欲しかったところ。 キャスリーン・ターナーは、このあと『シリアル・ママ』なんかに出たりして、どんどんおかしなことになっていくわけだが、これがひょっとして最後の輝きだったのかと思うと、感慨深いものがある。 8月6日記 静かなお喋り 8月5日 静かなお喋り このコーナーの表紙に戻る |