風雲電影院

ウエストワールド(Westworld)

2014年2月3日
三日月座BaseKOMシネマ倶楽部

 1973年作品。公開当時に映画館で観ているが、ほとんど忘れていた。

 マイケル・クライトンが、おそらく『アンドロメダ病原体』の映画化『アンドロメダ・・・』のデキに不満で、「オレに撮らせろ」と脚本・監督までやってのけた作品なんじゃないかと、私は当時、勝手に想像していた。今から観ると、さすがに古い気もするが、あのころの映画ってみんなこんな感じだったかもなぁ。

 90分に詰め込むには、いろいろと盛り込み過ぎている。それが原因で訳が分からないシーンも多い。もともとこれは小説にしないで、いきなり脚本を書いて監督しちゃったわけで、おそらくマイケル・クライトンとしても映像的に面白いだろうというシーンを書いて、繋げていったら出来ちゃったというのが本音なような気がする。だって本人、小説家だというのにディテールのツメが甘い部分が多くて、説明不足で意味不明な部分もある。

 それでも、このテーマパークで大変な事が起こるというアイデアは、後に1990年になって『ジュラシック・パーク』として花開くわけで、それを思うと、マイケル・クライトンは、『ウエストワールド』を小説にしないで、秘かに温め続けていたのかもしれない。

 酒場の女と二階に上がってお楽しみっていうシーンは、今観てもなんかエロチックですな。相手はロボットって設定なんだけど、妙にセクシーで、しかも男の方がウブっていうのが笑える。

 SF映画とはいえ、まだ1970年代の作品。CGなんてほとんど使われていない。それでも、さすがマイケル・クライトン。コンピューターのモニターとか、あのころでは最新技術だったものを、ちゃんと取り入れている。

 どうやら、今度これをテレビシリーズにするらしくて、しかもJ・J・エイブラムスとジョナサン・ノーランのコンビ。これは『Person of Interest 犯罪予知ユニット』のコンビだから期待できそう。CGをたくさん使って新しい『ウエストワールド』が観られそうだ。このコンビだと、脚本家チームも優秀だから、基の映画の辻褄が合わない部分も解消して、もっと面白くなりそうだし。ロボットの暴走も怖いだろうな。

2月4日記

静かなお喋り 2月3日

静かなお喋り

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