風雲電影院

何かいいことないか子猫チャン(What's New, Pussycat?)

2015年3月2日
三日月座BaseKOMシネマ倶楽部

 1965年作品。日本で公開されたとき、バートバカラックの主題歌がトム・ジョーンズによってヒットして興味を持ったものでした。しかし当時の私はまだガキに近い存在。ポスターなどを見ても、きれいな女の人がたくさん載っていて、タイトルからしても、なんとなくエッチな映画なんだろうなというイメージ。確か、近所の三本立ての映画館でも上映していたことがあったと思う。観たいという気持ちはありながら、こういう映画は観ちゃいけないんじゃないかという気持ちが強くて、行かれませんでした。

 それ以来、なんとなく気になっていた映画。なにしろ脚本がウディ・アレンで本人も出ている。しかもこれがデビュー作。主演があのころ大作映画の俳優という位置づけだったピーター・オトゥール。『博士の異常な愛情』や『ピンクの豹』『暗闇でドッキリ』のクルーゾー警部役で当てた直後のピーター・セラーズ。女優がロミー・シュナイダー、ウルスラ・アンドレス始め、きれいどころがズラリ。それにバート・バカラックの曲とくりゃ、こんな豪華な映画もない。

 そういう、どう考えても楽しい映画に違いないというイメージの割には、傑作だという話が聞こえてこなかった。なんで? これだけのスタッフ、キャストで、なんとなくエッチな話となれば面白くないわけはないでしょと思っていたのだけれど・・・。

 演出のテンポの悪さもあるのだけれど、どうもいまいち弾けないというのか不完全燃焼のコメディ。ピーター・オトゥールが女難でオロオロする姿は可笑しいが、もともとコメディのセンスはあまり無い人なのか、受けの演技で笑わせるというのは苦手らしい。ビーター・セラーズも長いカツラと黒縁眼鏡の精神科医というのは、姿は強烈だけれど、それがアダになったのか顔の表情がよく見えないこともあって笑いに繋がって行かない。デビューとなったウディ・アレンだが、派手なラップスティック・コメディをやろうとして、やはりこの人に派手なコメディは向いていないということを証明してしまったような気がする。ロミー・シュナイダーはきれいですねぇ。たくさんの女性に愛されてしまうプレイボーイのピーター・オトゥールが、最終的に選んだのが清純な感じの女性だったっていう得な役を貰って、それが見事にハマった。ウルスラ・アンドレスは初代ボンドガールですから、いかにもな役を与えられて、楽しそうにやってる。

 公開されてから50年の時を経て初めて観たわけだけれど、なんともたわいない艶笑コメディ。ほとんどエッチな感じは無く、拍子抜けするくらい。観に行きたくて、それでも、こういうのは観に行っちゃいけないなんて思っていた思春期の私って何だったんだろう。

3月3日記

静かなお喋り 3月2日

静かなお喋り

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