June.18,2000 容量オーバー

「おっかしいなあ、どうしたんだろう。またパソコン壊れちゃったよ」
「おい、カバ公いるかい!」
「あっ、こりゃ大家さん」
「なんだい、またパソコンの前ってえことは、ホーム・ページを打っているってことかい? まったくもう、毎日毎日、くだらない事をよく書けるもんだ。いいかげんにしなよ」
「大家さん、いいところに来てくれましたねえ。大変なんですよう」
「どうしたい、またネズミでも出たかい?」
「それは、明日書くネタ―――って、そうじゃないんですよう。パソコンが壊れちゃったらしいんです」
「どれどれ、どんな具合だい」
「いやね、今日の分のを打って、FTPを立ち上げて、サーバに送ろうとしたんですけどね、『アップロードできませんでした』っていうメッセージが出ちまって、送れねえんですよ」
「ああ、ちやんとした文字が出てこなくて×××ってなってる・・・」
「それは伏字」
虫眼鏡でないと見えない・・・
「それは小っせー字」
「ごめんごめん、カバ公、歳の割には目がいいねえ」
「それはお世辞」
「ジャングルの王ターザン」
「野生児」
「ホットドッグに挟む具」
「ソーセージ」
「カバ公、ちよっと肩と腰が痛くてなあ、ちょっと揉んでくれんか」
「へいへい、それじゃあ、ちょいと掴まらせていただきますよ。―――――おおっ、大家さん、大分凝ってらっしゃいますなあ」
「ああ、カバな店子が多くてなあ」
「それはメッセージじゃなくてマッサージじゃないですか。大家さんがボケかましてどうするんですか? 第一、どんどん遠ざかっていってしまってるじゃないですか」
「ごめんごめん、ちよっとしたサービスだ。話を元に戻してと―――。ははあ、あまりにくだらない事を書いて送るものだから、サーバ側のコンピューターがあきれ返って壊れちまったんだろう」
「そんなバカなあ」
「ちょっと、見せてみなさい」
「ほら、この写真を送ろうとしたんですがね、ダメなんですよ」
「ほう、この豆腐が写っている汚い写真か?」
「汚いは余計ですって」
「なるほど、送れないようだな。よしBIGLOBEのホームページ・メインテナンス・サイトにアクセスしてみよう。とりあえず、今の容量を確認してみようじゃないか。―――――ほらほら容量確認画面が出てきたぞ。なになに4996Kbteだってえ。いったい何MBまで置かしてくれるんだ、ここは」
「へえ、何のことですかい?」
「サーバだって、無制限にファイルを置かせてくれるってわけじゃねえんだ。当然、上限ってえものがある」
「そういえば、5メガまでは無料とか書いてありましたっけね」
「それみろ、この写真は16キロもあるじやないか。これを送るには12キロも不足しているぞ」
「ひえー、どうしよう」
「どうする。これ以上続けるためには、容量変更の契約をしなければならないがな」
「しょうがありませんな」
「いいかい、これからは、もうちったあマシな文章書けよ。それとだな、画像だって厳選したのを載せるんだぞ!」
「ええっと、上限は確か25メガまでって書いてあったっけなあ。ということは、10ヶ月程で5メガ使っちまったんだから、この調子でいくと4〜5年でお終いってことですかい?」
「あきれた奴だねえ。この毎日更新というバカなことを、4年も続けるつもりかい?」
「ええ、あっしも、もうそろそろやめたいいんてすがね、止めてくれる人がいないんですよ」
「まったく、カバな奴には、付き合ってらんねえや。ところでここに、BIGLOBEの置かせてくれる容量は最近、55メガまでに増えたと書いてあるぜ」
「ええっ! 急にそんなに増えちまったんですかい? どうしよう、それじゃあ、これからまだ10年近くやらなくちゃならねえ」
「この大カバが! 付き合ってらんねえや。第一、これからは有料だぞ」
「お金がかかるんですかい?」
「そりゃそうだ、あちらさんだって商売だ。おめえのみたいな、くだらないホームページを今まで置いてくれただけでも感謝しなくちやいけねえ。いいかい、これからは2メガ増えるごとに月200円づつ払うんだぞ」
「ははあ、大家さんのところに払う店賃みたいなものか」
「まあ、そういったものだな」
「よおし、ここみたいに溜め込んでおいて、そのうちに踏み倒しちまおう!」
「おい、無茶言うんじゃないよ! ここだって、いいかげん払ってもらわなきゃ困るよ。あたしが大目に見てあげていると思やあ、付け上がりやがって。いいか、サーバはあたしみたいに大目に見てくれやあしないよ。料金溜めたりしたら、追い出されちまうからな!」
「えっ、追い出しくっちまうんですかい。たいへんだあ! それじゃあ、ホームページならぬ、ホームレスページになっちまう」

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