November.11,2001 薬の交通整理

        いままで薬といったら、総合ビタミン剤くらいしか飲んでいなかったのが、緑内障を患ってから毎食後に、利尿剤と目にいいといわれるビタミンB16の錠剤を飲むようになってしまった。もっとも利尿剤の方はもう止めていいと言われたので、もう飲んでいないのだが。あとは目薬。一日4回というのが一本。一日2回というのが2本ある。2回というのは朝晩にさせばいいのだが、4回というのは時間の配分が結構難しい。うっかりすると2回目と3回目がかなり接近してしまうことも多い。

        緑内障が一段落したこの秋、緑内障の処方箋を持って買いに行く薬局で血圧を測ってみた。高いのである。上はほぼ正常といっていいのだが、下がちょっと危険。90を超えているのだ。へたをすると100というときがあった。母方のおばあさんは血圧が高く脳梗塞で倒れ、寝たきりで10年を過ごした後に死んだ。母も血圧は高い方で、常に薬を飲んでいる。どうも高血圧の家系に生まれてしまったようだ。近くの病院に行こうと思ったのだが、ここはいつも患者さんで溢れている。それで、ちょっと離れた診療所に行ってみることにした。出てきた先生は内科と漢方を専門にしているという。そこで書いてくれた処方箋というのが、毎朝1錠飲めという錠剤。それと食間に一日3回飲めという漢方薬の顆粒だ。今まで食間という薬は飲んだことがなかった。食間とは食事中に飲むのではなく、食事と食事の間に飲めというのである。これが難しい。うかうかしていると次の食事時間になってしまう。

        先月はとんでもないことになった。風邪をひいてしまったのである。二年ぶりだった。熱が出てしまい、これが下がらない。それでも仕事を休むわけにいかないのが零細企業の辛いところだ。また診療所まで行ってきた。出てきた先生はまたもや血圧でお世話になっている漢方をやっている先生だった。ここで処方してくれた薬というのが、例によって食間に飲めという漢方薬の顆粒が2種類。一日3回食後に飲めという錠剤が2種類。一日2回食後に飲めという錠剤が1種類。そして一日3回食前に飲めという錠剤が1種類だった。私は今まで食前に飲めという薬は飲んだことがなかった。これが毎回忘れてしまうのだ。食事を目の前にすると薬のことなんかすっかり忘れてガツガツと食べ始めてしまう。我ながら意地汚いとは思うのだが、どうしようもない。食べている途中で気がつくのはいい方。大抵はすっかり食べ終わってから思い出す。

        かくて先月は、一日3回食後に飲む錠剤が3種類。一日2回食後に飲む錠剤が1種類。一日1回食後に飲む錠剤が1種類。一日3回食前に飲む錠剤が1種類。一日3回食間に飲む漢方の顆粒が3種類。一日4回さす目薬が1種類。一日2回さす目薬が1種類。これにいままで毎日飲んでいたビタミン剤とニクニク成分を錠剤にしたものを加えると、ほとんど何だか分からなくなってきた。これらの薬を規則正しく飲める人間なんているのだろうか?

        1ヶ月ぶりの緑内障診察と視野狭窄検査。やはり左目の一部の視力が欠けてしまっている。これはもう治らないそうだ。眼圧の方はおかげさまで正常値だ。右13、左14。今までで一番低い数値が計測された。「いいですね。このまま目薬を続けてください。ビタミン剤の方はもういいでしょう。次は2ヶ月後ということにしましょう」 先生のうれしい言葉を聞いて病院を出た。


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