May.25,2001 カニざる

        これね、小松空港の中の食堂でみかけたもの。ざるそばの汁の中にカニの身を入れちゃうなんていうのは、考えてもみなかった。まあ、金沢といったらカニは本場なんだろうから、こういうのがあってもおかしくないんですがね。カニ好きの人には魅力あるだろうなあ。1050円という値段も高くないし。

        しかし旨いんだろうか、これ? 食べないで帰ってきちゃったんですけれどね。このサンプルを見た感じだと、どうもカニの身以外にカニみそが入っているらしい。なるほどなあ、カニみそが入ると旨いかもしんない。でもね、カニの淡白な味はそば汁に入れちゃうと負けちゃうと思うんだけどなあ。それとカニみそはカニみそで、汁と喧嘩しちゃいそうな気もしてくる。ざるかに合戦って言って・・・。


May.17,2001 ウナオム丼

        最近は、蕎麦屋でウナギを出す店が増えてきた。天丼やカツ丼に並んでウナ丼やウナ重がメニューに並んでいる。昔は考えられなかったことだ。だって、蕎麦屋でウナギを裂いて、蒲焼にするわけないでしょ。ウナギといえばウナギ屋さんに行かなければ食べられなかった。それが昨今は、レトルト食品でさえウナギの蒲焼を扱っている。それがまた、以前は大した味じゃなかったのに、だんだん味もよくなってきた。食材業者が、使ってくれませんかとウチにも来るのだが・・・。ウナギねえ・・・。

        いつだったか、チンピラっぽい人から出前の注文があった。

「ウナ重を持ってきてくれ! いいか、特上だぞ!」
「あのう、ウチはウナギはやってないんですけれど」
「なにぃ、蕎麦屋だろ? なんでウナ重をやっていないんだ!」

        世の中、いつのころから蕎麦屋でもウナ重をやるのが常識なったのだろう。なんとか天重で勘弁してもらって持って行ったのだが、それからが大変だった。持って行った先は、どうやら不渡りを出して倒産した会社。取り立て屋らしい目つきの良くない連中が数人狭い事務所に座っていた。天重を差し出すと、「おい、オレはウナ重を頼んだんだぞ!」 横にいた下っ端の男が「すいません、ウナ重がなかったもんですから」。いつもどういうところでウナギ食べているんだろう、この人は。

        本当にウナギの蒲焼を出す蕎麦屋は増えた。中にはウナギ蕎麦なんていうメニューを出しているところもある。う〜ん、ウナギ蕎麦ねえ。これは研究課題だか・・・。

        金沢の街は、他のコーナーでも書いたように、蕎麦屋が少ない。香林坊を早朝歩いていたら、一軒の蕎麦屋を見つけた。ほお、珍しいなあ。金沢にも一軒もないというわけではないんだよなあ。興味があるので、サンプル・ケースを覗きこんだ。普通の、蕎麦屋のメニューが並んでいるのだが、ただひとつ、私が気になったものがあった。

        オムレツ丼(うなぎ入り)。ふ〜ん、ウナギの蒲焼オムレツを、ご飯の上に乗せているわけね。

        最近は、ウナギ屋でも[親子丼]なるメニューを見かけた。なんのことない、鶏肉の替わりにウナギを使っているのだが、それって、親子じゃないでしょう! 他人なんだから! 

        柳川風に、ウナギの蒲焼を出し汁で煮て卵でとじるという料理は、ウチの賄い料理でもよくやる。これを丼によそったご飯の上に乗せれば、いわゆるウナギの蒲焼で作った[親子丼?]が出来るわけだけど、個人的な好みからすると、せっかくの蒲焼のタレがこれでは死んでしまうような気がするんですよ。それでですね、金沢で見たウナギの蒲焼入りオムレツ丼との中間みたいなものを作れないかなと思ったわけです。

        レトルトの蒲焼も最近は旨くなってきたけれど、やっぱり、ちょっと奮発して、ウナギ屋さんで、ひと串買ってきた。ウナギってね、レンジで暖め直してもいいんだけれど、これだと味はイマイチ。フライパンで酒蒸しにするといいという人もいるけれど、ウナ丼でそのまま食べるでなければ、私は炒めるのを薦めたい。こうすると、フンワリするんだよね、ウナギが。

        ウナギの蒲焼を適当な大きさに切る。それをフライバンに油をひいて炒める。バターでも可。これをいったん皿に移しておいて、再びフライパンに油をひき、今度は卵を2個、溶いて流しこむ。その上に先ほどのウナギを乗せていく。オムレツ丼は、これを包んじゃったけど、そのままにして、半熟状態で火を止める。ご飯を丼によそい、上から蒲焼のタレをかける。その上に、フライパンの上の卵とウナギをソッと乗せる。上からさらに蒲焼のタレをかけて、出来あがり。

        いただきまーす。うん、これは旨いよ! 旨いよ! でもこれ何も蕎麦屋じやなくとも、家庭で普通に出来るよなあ。

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