April.11,2006 すき焼き式鍋焼きうどん

        東海林さだおの食べ物エッセイ、丸かじりシリーズ最新刊『おでんの丸かじり』の中の『「魚すき」の真相』を読んでいて、「はっ」とした。魚すきは、私の鍋仲間でも昨年やった。ようするに、刺身用に切った魚介類をすき焼きのタレにしばらく漬け込み、中の魚介類を引き出す。漬け込んだタレを鍋に入れ沸騰させる。その中に先ほどの魚介類を入れて煮えたところで引き上げ、牛肉のすき焼き同様、生卵につけて食べるのだ。東海林さだおも書いているが、濃い味のタレで煮て生卵で食べるというのは、すき焼きだけに限られているが、他のものでも可能ではないかということ。東海林さだおは、「たぬきうどんのツユを濃くして生卵で食べるってのはどーか?」とカットで入れているが、この際、鍋焼きうどんにこの発想を取り入れてしまってはどうだろうか?

        つまりですねえ、鍋焼きうどんの汁をうんと濃くしちゃうんです。もともとそば汁とすき焼きのタレとは味がよく似ているんですね。そういえば、カウンター式の安いすき焼き屋さんに入ると、なぜか白菜が入っていたり、うどんが入っていたりする。そんなにおかしくはないんですねえ。

        そこで、試してみました。鍋焼きうどんの土鍋に濃いそば汁を入れる。そこに調整で砂糖と味醂を少々足す。うどん、ほうれん草、ねぎ、椎茸、筍、蒲鉾、麩、海老の天ぷら、それに本来は鶏肉が入るところだけれど、豚肉の方が合いそうなので豚肉を投入。卵は鍋に入れず、皿に入れて溶く。

        食べてみました。鍋の中の具を卵に付けて食べる。はっきりいって、これは旨いです。全ての具材が合う。こうなると、焼豆腐とか春菊も入れたくなってしまうなあ。


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