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客席放浪記

浅草演芸ホール三月中席夜の部

2014年3月16日

 ザ・ニュースペーパーの政治コントは、すっかり寄席の番組に溶け込んだなぁ。かなり受けてる。今日は安倍晋三内閣総理大臣に、民主党の前原誠司、自民党の石破成。それが声も顔も、いかにも言いそうで実は言わないだろう本音が口に出されるんだから可笑しい。例えばアベソーリ。「私は浅田真央ちゃんに似てるんですね。真央ちゃんはソチ・オリンピックのショートプログラムでこけてしまいました。私は一回目の総理の時、一年間というショートでこけてしまいました。それがどうでしょう。真央ちゃんは、そのあとのフリースタイルで高得点。私も憲法改正、秘密保護法の成立、武器輸出とやりたい放題のフリースタイル」 毒吐いてるけど、客の反応は大きい。

 三遊亭遊吉『人形買い』だよ。そういえばもう、ひなまつりは終わって浅草橋の人形店も鯉のぼりや五月人形商戦が始まってる。もう、そんな季節なんだねぇ。

 絶対に笑いを取りに来る三遊亭笑遊『湯屋番』。銭湯に奉公しようと訪ねて来た若旦那、女湯の入り口から入って来る。「いきなり女湯から入った人ねあんたで二人目。もう一人はね、今、落語喋ってる人」

 ギタレレ漫談、自虐ネタのぴろき。「新幹線の隣の席に外国人が座りました。その外国人、私にコンビニのおにぎりを渡すんです。きれいに剥がして食べるのは難しいんです。私、きれいにセロファンを剥がして食べました。でも、外人は剥がし方がわからなくて私に剥がしてもらいたかっただけだったんです。これ、本当の話です」

 昔昔亭桃太郎は、師匠柳昇のネタ『カラオケ病院』。歌い始めたら、手拍子を叩いてくれたお客さんあり。「すみません、私、手拍子叩かれると歌いにくいんです」

 鏡味正二郎の安定した太神楽曲芸、五階茶碗器の積み上げと傘回し。

 トリは桂伸治『宿屋の仇討ち』で賑やかに。
 最初のどんちゃん騒ぎでは、座ったままで下座のお囃子入りで『かっぽれ』。
 相撲。「坊主辞めて相撲取りになったの、何て言ったけかなぁ。そうそう捨衣。それと噺家辞めて相撲取りになった奴は・・・捨羽織!」

 大相撲春場所も始まったし、もう春は近い。

3月17日記

静かなお喋り 3月16日

静かなお喋り

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