浅草演芸ホール八月下席夜の部 2014年8月24日 毎年、浅草演芸ホール八月下席夜の部の仲入り後は、禁演落語の会。いつも長井好弘さんの解説が聴きたくて観に行っているのだが、今年は長井さんが出番の日に私の都合がつかなくて、今日の石井徹也さんの出番の日に行く事になった。 というわけで、今年の解説は石井徹也。落語会に行くと、よく姿を見かける人で、その個性的な風貌で、やたら目立っている。ブログもお書きになっていて、それを拝見すると、ほとんど毎日、寄席や落語会に行っている。一日に二ヶ所以上回るのもざらで、その体力には恐れ入ってしまう。しかもそのブログの内容も実に濃くって、読み応えがある。私には逆立ちしたって到底、あんなに詳しいことは書けない。 釈台を前にして喋るスタイルは長井さんと同じ。長井さんは一応、浴衣などを着て和の雰囲気で高座に上がるが、石井さんはワイシャツ姿。長井さんはもう長年、この解説を務めているから、手慣れた口調でテンポよく、持ち時間の配分を考えて話す。石井さんは、今年二年目かな? まだ慣れてないのか、思いつくままに自由に話している感じ。禁演落語に対する切り口が長井さんとは大分変っていて新鮮。主にお妾さんの事を話す。楽屋で鐘がなると終わりの合図なんだそうで、話が尻切れトンボになってしまったのが、ちょっと残念だったなぁ。切りのいいところまで話してから楽屋に引っこめばよかったのに。 橘ノ圓満が『大神宮』。『お祓い』とも言うらしいが、石井徹也のブログによるとも『大神宮の女郎買』。毎年、この禁演落語の会に来ると、誰かが演っている。磯部大神宮と門跡が吉原に行くという噺。そんなに面白い噺とも思わないのだが、珍しいネタということでかけているのかもしれない。 雷門小助六は『宮戸川』。「私の持ち時間は14分」と言って始めたのが、サゲでの伏線になっていたのが面白い。 いつ上がっても同じ漫才をする人たちは多いが、Wモアモアは、結局最終的には同じネタに入るのだが、出てきて最初の部分のツカミが毎回違う。時事的な事、来ているお客さんのことなどを、どうもアドリブで入れているようだ。それが、この人たちの強さなんだろうな。 「昨日のサンバカーニバル、盛況でしたよ。ブラジルの女性ってみんな整形してるらしいですよ。それも顔じゃなくて、お尻。シリコンって言って」。桂米福は『疝気の虫』。 「酒と女は二ごうまで」。解説でお妾さんの話が出たついでか三笑亭夢太朗は『星野屋』。 檜山うめ吉。この人、声小さいんだよね。よ〜く聴いてないとわかんない。一曲目は『木更津甚句』かな。次が『品川甚句』ね。それと小唄『腹が立つときゃ』。踊りは『茄子とかぼちゃ』。 トリが三遊亭遊三で『蛙茶番』。大詰めは鳴物入り。ツケまで入って鮮やか。派手な高座だった。 しかし、今年は何か足りない。そうだ、去年は二ツ目の元気のいいのが並んでいたんだったけな。 8月25日記 静かなお喋り 8月24日 静かなお喋り このコーナーの表紙に戻る |