浅草演芸ホール二之席夜の部 2016年1月11日 持ち時間10分以内の高座がズラーっと続いていく正月興行。噺を大胆にカットしたり、普段マクラでやっている漫談だけだったり、小噺をやって下りる人も。目まぐるしいけれど、飽きることのない番組だ。 まずは前座さん。桂伸しんは、『子ほめ』の最初の部分だけ、ちょっとやって降りる。7分くらいかな。前座修業頑張ってね。 二ツ目の三遊亭遊里は「本日は成人式。落語の方では仕事をしてない成人に与太郎というのがおりまして」と『厄払い』。短くて明るくて縁起のいいネタ。マクラからの持って行き方といい、ネタ選びといい、楽しみな人だね。 マジック・ジェミーの奇術。ロープやトランプ。寄席の定番を今日は時間がないのでスピーディーに。 「行きつけの高級イタリアン、サイゼリアでカルボナーラを食べてましたら、それを見ていたオバサンが、『私にも、そのポルギノールください』」。三笑亭小夢はいつものマクラだけの漫談で下りた。 桂文月は短い『味噌豆』。 春風亭柳好は『鰻屋』の序、浅草を連れまわされるところだけ。なるほど、そうい手もあるか。 新山真理は相方が抜けて漫才から漫談になった人。正月だからか、着物姿で座布団に座っての高座。「この仕事始めてもう25年なんですよ」と話せば客席から「まだまだ若いよ!」の声。でも「三歳からやってるんです」には、「嘘つきー!」。アハハハハ。 三遊亭遊之介は、こういうときに便利な『浮世床』。将棋の部分。 桂南なんは小噺。 Wモアモアも、浅草寺の厄払いネタや健康のネタ。新年らしくていいね。 三遊亭笑遊は『魚根問』。「サヨリって、なんでサヨリって言うですか?」「一番最初に食べた人が吉永さん」。それはサユリでしょ。 三笑亭茶楽は『紙入れ』。ああ、この噺もやろうと思えば10分で収まるんだね。 昔々亭桃太郎は『勘定板』。もともと汚い噺だけど、この人のサゲはさらに汚い。仲入り前にやらないでほしいな〜。弁当がおいしくなくなるぅ〜。 仲入り後は三遊亭遊雀から。『つる』。ほお〜、初席で遊雀の元師匠の権太楼で聴いたばかり。はからずも続けて聴くことになった。遊雀のは権太楼ほど破壊的でないが、それでも壊れ具合が尋常でないおかしさを孕んでいる点で、なんとなく共通するものを感じる。 チャーリーカンパニーはいつもの捩り鉢巻きニッカボッカコント。今日は教師と生徒の父親という設定。 「私にも一恵という女がいまして、昨年、福山という男にあげました。そしたら楽屋中でみんなが、『オレも、オレも』って」。そう、私にも一恵という女がいたのだが福山に・・・。三遊亭圓馬は『からぬけ』だけど、ドジョウ、ウナギ、ヘビ、アナゴ以外の物がサゲ。 「風邪のクシャミと、インフルエンザのクシャミって違うって知ってました? 風邪は、ハクションでしょ。インフルエンザはね・・・ワックチン」。桂小文治が『不動坊』始めたけれど、風呂のとこまで。 北見伸&ステファニーの奇術。持ち時間の関係で、ステファニーは箱からの人体消失マジックだけ。いつもながら見事。 「私、歌丸の一番弟子。つまり惣領弟子なんです」と桂歌春。「ということは、次に歌丸の名前を継ぐのは私っていう可能性が大きいってことでしょ。いや、歌丸の師匠に当たる米丸を継ぐっていう可能性も残っている。ところがですね、このふたりが揃って元気なの。ならこの際、改名っていうのはどうだろうと。師匠の丸の字を貰って何かいい名前はないかなと考えて、いい名前を思いつきました。それで師匠の歌丸のところに行きました。『五郎丸に改名しようかと思います』とトライしました。蹴られました」。そこから歌丸のお得意でもある『鍋草履』。 桂米助は『新聞記事』。かなり荒っぽい『新聞記事』だけど、米助流のギャグも多く楽しい内容。 東京ボーイズ。♪ゲスの極み乙女という歌手を なぞかけ問答で解くならば 骨が折れたと解きまする・・・ベキッ トリは三遊亭小遊三で『鮑のし』。めでたい噺でお開き。やはり正月の寄席はいいね。 1月12日記 静かなお喋り 1月11日 静かなお喋り このコーナーの表紙に戻る |