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客席放浪記

朝練講談会 二扇会vol.7

2016年4月17日
お江戸日本橋亭

 開口一番前座さんは田辺いちか『太閤記 太閤と曽呂利』。前座修業頑張ってね。

 神田松之丞は講談に入ってからも面白いが、マクラも面白い。今日は、大阪からのケスト月亭天使と出会った、立川志の輔の会の楽屋の様子が中心。立川流のピリピリした楽屋の様子って怖そうだけど面白そう。今日はこのあと、ノラや寄席で『寛永宮本武蔵伝』から『偽巌流』『道場破り』『闇討ち』を読むということで、朝練だとばかりに第一話に当たる『寛永宮本武蔵伝 偽巌流』。第一話とはいえ、まだ宮本武蔵は登場しない。この『寛永宮本武蔵伝』、松之丞によると別名『絵本宮本武蔵』と言われているそうで、ほとんどが見せ場だけで構成されている。吉川英治の『宮本武蔵』とは話としても、かなり別物。しかしそこが講談らしいといえば講談らしくできている。全17席あるそうだが、私が聴けたのは、まだそのほんの一部だけ。すべて聞き終えることができるのはいつの日か。

 月亭天使がマクラで、東京での定宿は南千住だと言っていた。大阪でいう天王寺みたいな地域。それでも治安は南千住の方がはるかにいいのだとか。最近は外国人のバックパッカーの利用者も増えて、以前とはだいぶ変わってきた。
 噺は『まんじゅうこわい』。「何か怖いものはないか」と言われて本当に身投げ怪談の話を始めるやつがいたりして面白い。最後、饅頭を家に入れられて、「怖いよ、怖いよ」とは言わずに、ひたすらおいしそうに静かに食べるという男の演出が可笑しくていい。なかには最中まであって、最中のカワが歯に挟まって指で取るなんてしぐさもあり、芸が細かい。この噺、気が付いてみたら男しか出てこないのだが、女性の落語家がやってもあまり違和感がないのに気が付いた。

4月18日記

静かなお喋り 4月17日

静かなお喋り

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