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客席放浪記

第195回朝練講談会

2016年9月17日
お江戸日本橋亭

 休みを取って、15日間のスペイン旅行から帰ってきたばかりだという松之丞。スペインでの土産話をマクラで聞けるのかと思いきや、スペインのことには一切触れず、飛行機が好きとか嫌いという以前に、パイロットなんていう職業を選ぶ人の気が知れないという理論を展開。何百人もの命を握っているというプレッシャーや、いつハイジャックされるかしれないという不安。いくら給料が高くても嫌だという考えには納得。

 今日は神田松之丞が『慶安太平記』から。神田春陽が『徳川天一坊』から。長い噺からの抜き読み。どちらも私は接したことのない噺。もちろん全貌は知らない。『慶安太平記』は由井正雪の噺だということはかろうじて知っていた程度。

 『慶安太平記 箱根の惨劇』は怪僧善達の物語。ひとりで五人前の肉や料理、酒を飲むという極道坊主にして、足の速さ、力の強さも桁外れ。その善達が箱根の山中でゴマの蠅に襲われるも、素手で倒してしまう。その豪快なこと。それを見込んだ正雪が仲間に加えようと算段するところで、本日の読み切り。うお〜、『慶安太平記』面白いではないの。全編聴きたいぞ。

 『徳川天一坊 越前閉門破り』の方は、ここまでのあらすじを、うまくまとめて話してくれてから始まった。うん、これはいきなりだと何だかわかんないわ。大岡越前が出てくるというのも意外だった。それもお裁きをするのではなく、水戸藩にご注進に行くのに、門から出られない。そこで死人になりすまして棺桶に入って出る。おお、これは黒澤明の『用心棒』を思い出しますな。

 春陽は、翌日も『朝練講談会』の出番があって、「この続きは明日」で終わっていた。う〜ん、続きが聴きたいが、どうも明日は私は来られないんだ。

9月17日

静かなお喋り 9月17日

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