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客席放浪記

Back Stage

2014年6月8日
シアター・クリエ

 元。猫のホテル所属、今は、表現・さわやかの主宰者、池田鉄洋による、作・演出・出演作品。地方公演を終え、東京公演の初日。

 どんな芝居になるのか見当もつかなかったが、池田鉄洋なら、とりあえず笑えて楽しい芝居だろうと思ってチケットを取った。

 これは三谷幸喜の『ショー・マスト・ゴー・オン』や『ラジヲの時間』と同じような設定。芝居の上演中にハプニングが起き、それでもみんながなんとかして辻褄わ合わせて芝居を最後まで持っていこうとするシチュエーション・コメディ。

 ところが、これが池田鉄洋の手にかかると、とんでもないことになる。奈落で電気屋さんを呼んで蛍光灯の交換をしていた劇場の案内係。真っ暗な奈落に何か動くものが。電気が点いてみると、そこに白い大きな犬。この犬、ただの犬ではなかった。地球侵略を企む宇宙人に身体を乗っ取られていた。犬は案内係を襲い、今度は案内係の身体を乗っ取る。

 この奈落のある日比谷の劇場、おりしも、ホワイトハウスが舞台のアメリカ大統領と大統領夫人の物語を上演中だった。その舞台に突然現れた案内係、今度は大統領役の役者の身体を乗っ取ってしまう。どうやら、この宇宙人、ここを本物のホワイトハウス、本物のアメリカ大統領と勘違いしているようだ。役者の様子がおかしいので困ってしまう楽屋裏だが、芝居を続けるしかない。やがて宇宙人は、どうも大統領よりも大統領夫人の方がチカラを持っていると悟ると、今度は大統領夫人の身体を乗っ取る。もう舞台はメチャクチャだ。

 休憩時間に入って、様子の可笑しい役者やら、話がおかしくなってきてしまったことを何とか修正すべく、作家は台本を書き直す。第二幕に突入した芝居だが、状況はますますおかしくなっていってしまうばかり。アドリブで誤魔化す役者、無理な台本はどんどん変化して行く。果たしてこの芝居は無事に最後に行き付けるのか。そして宇宙人の侵略はどうなるのか・・・こっちの方が大ごとだと思うのだけど(笑)。突然降りてくる娘道成寺の釣鐘、スター・ウォーズのパロディネタも盛りだくさん。ハチャメチャSFとシチュエーション・コメディの合体。とにかく楽しめた芝居だった。

6月9日記

静かなお喋り 6月8日

静かなお喋り

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